【こんな映画でした】95.[小さな恋のメロディ]
2021年 8月10日 (火曜) [小さな恋のメロディ](1971年 MELODY イギリス 106分)
1971年6月2日に大阪の試写会で観ているようだ。そして今回全編を観るのは二回目。何と50年振りということになる。何より懐かしい。忘れていたシーンも多い。当時は今よりもっとトレイシー・ハイド(撮影当時11歳)に惹かれたことだろう。もちろん今でも好みではあるが。
さすがに今回はDVDなのでじっくり観ることができ、いろいろと気が付くこともあった。まずは何よりもイギリスの学校の保守性。体罰をやっている。もっとも楽しい行事も用意されている。子どもたちも教室外では生き生きしている。宗教教育があり、その時間はユダヤ人の生徒は自習、と言っていた。
ダニー(ダニエル)は中産階級で、金持ちのちょっと嫌らしいところを親とその友人たちとの食事の風景で描き出している。メロディとトム(ジャック・ワイルド)は下層階級である。トムの環境が一番劣悪である(使っているマグカップが欠けている)。
最初の10分ではメロディは登場しない。トムの住環境も38分くらいのところで初めて紹介される。ダニーが主役のようであるが、全体を動かしているのはトムであろう。この存在がなかったら、この映画はいま一つとなっていたことだろう。
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残念なことにこの三人は、いずれももう映画界にはいない。トレイシー・ハイドとマーク・レスターは引退。ジャック・ワイルドは2006年に53歳でガンで亡くなっている。これは新聞で見た。非常に残念な思いをしたものだ。
ダニエルの母親役は何とも見事な演技である。シーラ・スティーフェル、撮影当時35歳。芸達者と言うべきか。
細かい事だが、メロディとダニエルの二人が街中を行く時、チラッと「娼婦」らしき女性が三人いるところも映しだしていた。二回目を見て分かったことだ。