【こんな映画でした】675.[哀愁]
2020年 9月 2日 (水曜) [哀愁](1940年 WATERLOO BRIDGE アメリカ 108分)
マーヴィン・ルロイ監督作品。ようやく観た。かなり昔にDVDだけは手に入れていたが、ということはその頃からこの映画の評判というか、評価を見知っていたということになる。しかしなかなか観られなかった。今回、思い切ってようやく観た、ということ。
そんなわけでストーリーは、読んで大体を知っており、その故に観るのが辛くてしんどくて、とうとう一度には観られなかった。何回かにわけてようやく見終わった次第。
イヤだなと思う根拠の一つは、主人公の男性が軍人であること。さらにはイギリスの上流階級出身であるということ。対して女性マイラは庶民である。庶民ということは、貧困層とは言わないまでも決して豊かな生活ができているはずはない階層である。
そんな裕福な男性と貧しい女性という組み合わせは、後の[ある愛の詩]でもそうであり、私にはどうも気に入らない設定なのだ。もちろん二人とも貧乏であれば、このようなラブロマンスは成立のしようもないのだが。
マイラが身を引く理由が、卑しい職に従事していたからと暗に示しているが、ロイの母親には別に好きな男性がいるので、としていた。ロイがマイラを探しにキティ(ヴァージニア・フィールドが良い)の元へ行った時に、ほぼそれを知ることとなる。
マイラの最後は原題のウォータールー橋で、そこを行き交う軍隊の車列のヘッドライトにまるで眩惑されたかのようにフラフラと倒れ込み、轢かれてしまうといったように描いてある。
その時のヴィヴィアン・リーの目の表情と、車とのカットバックが見事か。ラストシーンはその四半世紀後、つまりオープニングシーンのロイに戻る。見終わって、身体が少し震えたので、私でもやはり感動したということになる。やはり何かがある、ということになるか。