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【こんな映画でした】114.[不良少女モニカ]

2021年 8月 2日 (月曜) [不良少女モニカ](1952年 SOMMAREN MED MONIKA SUMMER WITH MONIKA スウェーデン 98分)

 イングマール・ベルイマン監督作品。英語字幕版。原題は「モニカとの夏」であり、邦題は酷い。というのはモニカを不良少女と断定することはできないからだ。結構そこいらにいる普通の女の子である。もちろん真面目一筋とは言えないが、それは彼女の家庭環境のせいでもあるので。

 18歳の女の子モニカ(もはや女性と言うべきかもしれないが)と、19歳の男の子ハリー(まだ学生なので)との一夏の恋愛劇。ただ赤ちゃんが生まれ、経済的な不如意があり、モニカは「不良」となってしまうことに。つまり赤ちゃんと彼を残して家出してしまう。

 ラストシーンはハリーが赤ちゃんを抱いて、二人の居た部屋を退去していくもの。若い男性が生まれてまもない赤ちゃんを抱きかかえている姿は何とも。
 それにしても[小さな恋のメロディー]や[フレンズ]のような似たような作品は作られているものだ。それらは若いというかまだ子ども子どもした二人であったが、今作ではともに18歳以上であり、現実に結婚もするのでちょっと違うものとなっている。つまりアンハッピーエンドというか、現実的な終わり方になっている。

 あと気付いたことには、カメラ目線があった。これまでベルイマンの作品を製作年代順に観てきているが、カメラ目線に気が付いたのは初めて(もちろん見落としている可能性はあるが)。一つはモニカで、これは長く感じられた。もう一つはハリーとあと三人の男性の汽車のなかでのシーン。

 オープニングシーンでは、モニカが鏡に映る自分を見る。同じ鏡でハリーが自分と抱いている赤ちゃんの姿を見るのがラストシーンである。これは二回目にザッと観て分かったこと。つくづく映画というのは何度も観ないと分からないものだ。

 なお特典映像がこの分にはついていて、それで分かったことは、アメリカでの公開では音楽が変えられているということ。あと編集の権利もアメリカの会社にあって、改変されている可能性があるようだ。

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