【こんな映画でした】744.[サンタクロース殺人事件]
2020年12月10日 (木曜) [サンタクロース殺人事件](1941年 L'ASSASSINAT DU PERE NOEL WHO KILLED SANTA CLAUS? フランス 100分)
クリスチャン=ジャック監督作品。初めて。サンタ役はアリ・ボールで[舞踏会の手帖]などで観ている。その娘役はルネ・フォール、撮影当時22歳で[罪の天使たち](1943)で観ている。
何ともはや、ツッコミどころのいくつもある映画だ。要するにいろいろと盛り込みすぎ、ということか。オープニングシーンの学校。教室で冬休み前、最後の授業。日付は12月22日。フランスの学校というか、教師の威圧的・暴力的な様が描かれている。
家でのしつけも暴力的だ。体罰を父親が小さな息子に加えている。左のほほを平手打ちし、子どもはたちまち泣いた。言い分が凄い。「父親にもっと敬意を払え」。そんなものは父親の普段の行動で自然に示すもので、強圧的に命令してできるものではないのに。
いずれにせよ少なくとも戦前までのフランスというのは、学校も家庭も子どもたちに対して非教育的な状態であったとしか言いようがない。子どもたちの人権は守られていない。ルイ・マルの[大人は判ってくれない]を思い出す。
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解説には「『絶版殺人事件』などで有名なフランスの本格推理作家P・ヴェリの代表作が原作のサスペンス・ミステリー。イヴの夜、ある村で教会の高価な指輪が盗まれ、殺人事件が起こる!」、と。