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【こんな映画でした】576.[穴]

2020年12月24日 (木曜) [穴](1960年 LE TROU 脱獄の報酬(TV) フランス 132分)

 ジャック・ベッケル監督作品。非常に緊迫した映画。観ている方もかなり緊張を強いられる。密度が濃い。何よりその設定だろう。脱獄ものの一つであるが、最近観たロベール・ブレッソン監督の[抵抗]に近い緊張感があった。

 この穴開けを敢行した五人のうちの一人がこの映画にも出ている(ジャン=ケロディ)。より臨場感があるというもの。

 脱獄という目的を目指して囚人たちが協力していくところは、人間というのは生きる目標がないとやっていけないことを示している。あるいは彼ら囚人どうしの友情といった見方もできるかもしれない。もちろん裏切りも含めて。

 結局、囚人とはいっても人間であるので、娑婆におけるその人の生き方・価値観などが刑務所においても現れるということだ。娑婆でダメな人間は、刑務所でもダメな生き方しかできない。そういうことだろう。

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