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【こんな映画でした】904.[アメリカの友人]

2022年11月22日 (火曜) [アメリカの友人](1977年 DER AMERIKANISCHE FREUND THE AMERICAN FRIEND L'AMI AMERICAN 西ドイツ/フランス 126分)

 ヴィム・ヴェンダース監督作品。これは正直、私には分かりかねる映画であった。白血病で死期が近いとされる・思われる額縁職人が、殺人事件に巻きこまれていくというもの。大金を手にすることにより、残される家族にそれを、との思いから「殺し屋」の依頼を承諾する。

 その主人公をブルーノ・ガンツ(撮影当時36歳)、「アメリカの友人」(?)役をあのデニス・ホッパー(撮影当時40歳)。何故殺すのか、何が原因でもめているのか、などは一切説明なし。

 一つのアイテムは絵画であり、そのオークションシーンがある。デニス・ホッパーがアメリカからヨーロッパへ持ち込んでくる絵画は、すでに亡くなっているとされる画家のもの(健在なのだが)。何やら怪しげだが、これまた詳細の説明はない。

 主人公の妻子が出てくるが、比重は低い。要するに妻に隠して、大金を獲得するために行動しているわけで、妻はそれに不信感を持つということに。

 ラストシーンは車の運転の後、主人公は息絶えているようだ。つまり白血病は結局、重度で死期が迫っていたということになるのだろう。

 何かを主張したい映画ではなく、ありのままに一種のサスペンスものとして展開していくものということか。と、ここまで考えたのだが、メイキングを観て一挙に解決。何とこの映画のもととなった小説は、パトリシア・ハイスミスの同名のものとのこと。確かにトム・リプリーが出てきたときに、おかしいなとは思ったのだが。

 ということでこの映画は最初からサスペンス映画だったわけだ。私は予備知識なしで観るようにしているのだが、これだけは失敗だった。原作者はチェックしておくべきだった。

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