【こんな映画でした】2.[ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命]
2022年 2月 1日 (火曜) [ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命](2017年 THE ZOOKEEPER'S WIFE アメリカ 127分)
ニキ・カーロ監督作品。3作目となる。しかし重くしんどい内容である。ナチスドイツが出てくるだけでそうなのに、さらに舞台がポーランドときたら、もう絶望的にしんどい。ついこの前の[ブリキの太鼓]もそうだし、ワイダの[カティンの森]もそうだが、ポーランドという国家の国家体制そのものについて考えさせられる。
原題は「動物園の飼育係」でもあるが、ここでは「管理者」(園長か)だろう。夫が管理者で、妻はどういう立場かは役職名はなかったと思う。いろいろと手伝っていることは間違いない。
主演はジェシカ・チャステイン(撮影当時40歳のアメリカ人、初めて)、夫はヨハン・ヘルデンベルグ(撮影当時50歳、ベルギー人、初めて)。
時代は1939年8月23日に独ソ不可侵条約が締結された頃に始まる。つまりその一週間ほど後にドイツのポーランド侵略が始まるわけだ。夫のヤンがその条約のことを妻に話し、ワルシャワを離れるように、と言っている。彼は分かっていたのだ。ドイツとソ連の間にポーランドがあるということを。
あとこの映画のなかにコルチャック先生が登場するので驚いた。あのワイダの映画[コルチャック先生]を思い出す。ここではヤンが一緒に逃げようと言うが、子どもたちと貨車に乗っていった。本当に出会っていたということだろう。この映画は実話による、とあるので。
このコラム「【こんな映画でした】」は。――映画を観たら、何かを感じ、何かを考えます。そんなことのメモ、――それがこのコラムです。2022年 2月 8日 (火曜)