
【こんな映画でした】870.[SOS北極.../赤いテント]
2023年12月 1日(金曜) [SOS北極.../赤いテント](1970年 LA TENDA ROSSA KRASNAYA PALATKA THE RED TENT イタリア/ソ連 150分)
ミハイル・カラトーゾフ監督作品。この映画には「158分(ソ連版)」というのと、「121分(国際版)」というのと2種類あるとのこと。このDVDは「150分」とあった。保存状態が悪くカットされたのかもしれない。
音楽も国際版はエンニオ・モリコーネで、ソ連版はアレクサンドル・ザツェーピン。最初の方で出てくるメロディーは聴いたことがある。
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この1928年のイタリア隊による飛行船での北極点行きのことは初耳だった。さらにそれが遭難して、それを救助するために出かけたアムンゼンも遭難死していたとは知らなかった。国家の威信をかけた軍人たちの戦いは、悲惨な結果に終わったということか。映画での生存者は6名だ。全16名中。
映画の構成は面白い。最初は面食らうが、だんだんと分かってくる。オープニングシーンは、この断罪されるノビレ将軍が眠れなくて起き出すところからである。深夜であろう。
そしてリビングルームに次々と、この事件に関与した人たちが順に登場してくる。そして一通りそろったところで検事役の司会により、その断罪裁判が始まる。関与した人たちというのは、その遭難の折、すでに死んでしまった人もいれば、その後生きていただろうが、事件から40年後の今はみんな死んでいよう。ノビレ将軍以外は。
ここから飛行船での北極点行きシーンとなり、目標地点、つまり北極点に到達したということで、目印となる十字架を投下し、乗組員たちは喜びに沸く。しかし、そこから引き返そうとするところで事故となる。高度がどんどん下がり、切らねばならないエンジンが凍結のため操作できず、ついにエンジン故障となる。
さらに高度は下がり、それを防ぐために船内にある荷物をどんどん海上(といっても氷の上)に投下するも、ついに氷山に接触して墜落することに。ノビレ将軍たちは氷上に落下、一部の乗組員はそのまま飛んでいった飛行船とともにしばらく移動した後、やはり落下・激突し、あとで分かるが全員(7名か)死亡。
一方、ノビレ将軍たちは衝撃を受けながらも無事、氷上に着地。直ちに投下した荷物・食料・予備の無線機・テントなどを回収し、救助を待つための態勢作りに入る。テントには赤の塗料を塗って。そこから「赤いテント」ということになる。