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【こんな映画でした】462.[わが街]

2022年 9月30日 (金曜) [わが街](1991年 GRAND CANYON アメリカ 136分)

 ローレンス・カスダン監督作品。観ていて息苦しくなる内容である。その主たる原因は、アメリカ合衆国という国・社会の根本的な問題がそこによこたわっているからだ。人種差別・銃・暴力・貧富の差、等々。

 原題は、あの大自然・大峡谷のグランドキャニオンである。にもかかわらず邦題は、その雄大さを矮小化したものにしている。皮肉だ。監督の意志に反するものだと私は思う。つまりこの映画は舞台こそロサンゼルスであり、そこに居住しているから「わが街」ということになるが、そちらに重点があるわけではない。言ってしまえば場所はロサンゼルスでも、サンフランシスコでもニューヨークでもいいのだ。人生観をこの「グランドキャニオン」に託しているわけなのだから。

 大自然、悠久の自然に比べで何と人間の卑小なことか。毎日をあくせくと一喜一憂しながら生きていかざるを得ない人間と、それを超越する大自然とを比較して考えようと言うことだろう。

 幸不幸・運不運はまさに「紙一重」である。それらにどのように対処していくか。軽く見るのはよくないが、深刻になりすぎてもダメなのだ。でないと精神的に参ってしまう。そんな中で少しでも良い出会いや、ほのぼのとさせられることがあれば、それを「奇跡」(クレアが言っている)と捉えて、その僥倖を喜び、享受すべきなのだ、と。佳作であろう。

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