【こんな映画でした】169.[ラースと、その彼女]
2008年12月28日(日曜)[ラースと、その彼女](2007年 LARS AND THE REAL GIRL アメリカ 106分)
クレイグ・ギレスピー監督作品。映画評を読んで、観たい映画を決めるのだが、これはその一本。本年最後の映画館での映画鑑賞ということに。
しかし、「参った」のひと言。こんな映画を作れるアメリカ人というのは実に不可解な人たちだ。あの軍事力や経済力をはじめとして偉そうにしているアメリカが、このような人の優しさをいっぱいに描いた映画を作れるのだから。
心に傷を負った人は、その傷を癒すためには、同程度の、あるいはそれ以上の時間とまわりの力添えがなければならない。ラース(ライアン・ゴズリング、撮影当時26歳)を取り巻く人たちのあの無限の優しさは、言葉で表現できないほど素晴らしく、ただもう「参った」としか言いようがない。羨ましくもある。
表面的にはあの実に精巧な「美人」に目を奪われ、あらぬ事を憶測してしまうかもしれないのだが。いやだからこそ、あのラース役のキャラクター、どこまでいってもひたすら真面目な誠実な人柄が、ものを言うのだ。
その人形自体にはなんら変わりはないのだが、それを見て何かを感じ・考える私たちの心が、洗い出されていくのだ。そのことに気付かされて愕然としてしまう。
またしても涙を禁じ得ない映画であった。DVDが発売されたら、授業でも観せたいと思う。
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