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【こんな映画でした】25.[終わりで始まりの4日間]
2022年 1月29日 (土曜) [終わりで始まりの4日間](2004年 GARDEN STATE アメリカ 103分)
ザック・ブラフ監督作品、主演も。初めて観る。撮影当時28歳。ナタリー・ポートマン主演とクレジットされているが。撮影当時22歳。
小説で言うならやはり「小さなお話」の範疇か。父親と息子の葛藤というアメリカ映画に多いパターン。結局、父親との和解はできないままに終わっているようだが、そのかわりに愛する女性と巡り逢えたということになるか。
彼は母親との関係が上手くいかない。その原因の一つは、事故――彼が9歳の時に母親を突き飛ばし、当たり所が悪く下半身不随になり、車椅子生活に。高校卒業後、家を離れて暮らしていたところに、母親が事故死したとの連絡。その連絡を受けて9年振りに故郷へ戻ってくる。映画はそこからの、そこでの四日間の話ということになる。
高校時代の友人たちとの出会いがあり、クリニックでこのサムという女の子と出会うことに。それにしてもアメリカは必ず「分析医」というのが出てきて、治療かカウンセリングか分からないが、それを受けなければならないような文化(?)なのだ。彼も母を事故に遭わせてしまったことから暴力的であると診断されて、その後ずっと26歳の今日まで薬を服用させられていたのだ。
日本も相当に精神科医に依存する社会になっているようだ。しかしアメリカではそれが当たり前になっている。そういう面での批判をしている映画と言えなくもないが、その主張は弱い。精神的に精神科医に支配されているようで。そんな中から脱却するのは相当に難しいことだろう。お終いの方で父親に言わせている。「医者の指示に反抗するのには勇気がいるぞ」、と。
ラストシーンは一旦飛行機に搭乗したが思い返して彼女のもとに戻ってくるというところで終わり。仕事もなくこれからどうするのだろうかと私は思うが、それで当時の若者たちにこの映画は受容されたということだ。ヒットしたとのこと。
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あと気が付かされるのは、若者が何かをやろうとする気力も無く薬物やアルコールに耽溺しているところ。文明病とでも言おうか。それと友人のマークがスーパーで商品を手にレジへ。そして返品だとしてお金を詐取するシーン。単価の低いものはレシートなしに返金するそうだ。ただベテラン店員ではダメなようで、新人に狙いを付けて、と言っている。何とも凄まじい世の中であることよ。おそらく店側もそんなことは百も承知で、コストに入れているのだろうが。