【こんな映画でした】856.[ホワイト・オランダー]
2023年 9月 8日(金曜) [ホワイト・オランダー](2002年 WHITE OLEANDER アメリカ 109分)
ピーター・コズミンスキー監督作品。初めて。アストリッドをアリソン・ローマン、撮影当時22歳。[ビッグ・フィッシュ](2003)を観ている。
凄まじい母親による娘の支配。アメリカ映画に多い父と息子の話ではなく、母親と娘の話。強烈な支配を、娘を愛するが故のこと、と強弁する。
母親役は、ミシェル・ファイファー、撮影当時43歳。娘をその支配下に置いておこうとする強い意志が感じられる。[ニューイヤーズ・イブ](2011)を観ている。
自殺してしまう「弱い人間」とされたクレアをレネー・ゼルウィガー、撮影当時32歳。夫婦関係がうまくいかない(子どもができない)ことからアストリッドを引き取ることに。しかしそのような理由では、やはりうまくいかない。アストリッドの母親と面会して、何か(毒)を吹き込まれ、夫から「三流女優」と罵られ、ついに離婚まで突きつけられて彼女はつぶれてしまう。アストリッドの失意は大きかっただろう。そしてようやく、うまくいかない根本的な原因は母親にあることに気がつくのだ。
「WHITE OLEANDER」とは、「セイヨウキョウチクトウ」とあり、「心臓毒性を有するオレアンドリンが含まれており、少しの量でも摂食すれば中毒を引き起こす。キョウチクトウ中毒は人を含めすべての動物で起こる。牛や山羊」などの飼料に混じっていると死んでしまうとのこと。
アストリッドの母親こそは、その毒のある「白い夾竹桃」だったわけだ。映画のシーンで彼女がコップにそれを飾るところがあった。