【こんな映画でした】357.[ともしび]
2021年11月15日 (月曜) [ともしび](2017年 HANNAH フランス/イタリア/ベルギー 93分)
アンドレア・パラオロ監督作品。撮影当時34歳の若手イタリア人、初めて。日本映画の[ともしび]を検索していたら出てきた映画。偶然見つけ、観てしまった。主演の女優シャーロット・ランプリングの名前も聞いたことがあるので。あとで調べてみると[地獄に堕ちた勇者ども](1969)にエリザベート役で出ている。
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最初にアンナのアパートでの夫との生活が寸描されている。そんなに豊かな生活ではない。まもなく彼女自身も働いていることが分かる。そして夫は理由不明で召喚され拘置されることに。
その後しばらくして、ドア越しにクレームをつけにきた母親の声で、そのおおよそが分かることに。この女性は顔も出ず、声だけ。子どもに酷いことをして、といった内容。それ以上のことは最後まで分からない。後で家具の奥に隠されていた封筒が見つかるが、その中味は映してくれない。写真かもしれない。
さらに酷なことにはこの夫婦は、息子のミシェルから絶交されていることが分かる。それでもアンナが孫の誕生日にケーキを持っていくのだが、玄関で息子から拒否される。もっとも孫が走り寄ってきてハグをするのだが、すぐに父親に部屋に戻れ、と。
これもお終いの方で分かるのだが、夫に面会に行った際の話で、ミシェルのことを「親を訴えるなんて、絶対許せない。お前も許してはいけない」とアンナに言うシーンがある。それでも中味は分からない。ただかなり深刻であることだけが分かる。そしてそのことのせいで収監されていることも。
私の見た限り、信じていた夫の「悪事」(?)が偶然、階上の部屋からの水漏れで天井を修理してもらう際、家具を少し移動させた時に、隠されていた封筒が発見されることに。一瞥して悟ったアンナは、すぐにそれをゴミ箱に。
そして夫との面会の際、封筒を見つけたことを告げる。アンナは絶望したのかもしれない。生きる張り合いをなくしたように、地下鉄に乗車して去っていき、そこで映画はある意味唐突に終わる。
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全編、ほとんどセリフらしいセリフはない。ほとんど無言の演技のみの映画である。役者が大変だったろう。そしい内容も深刻なので。主役のシャーロット・ランプリングは撮影当時71歳か。
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