【こんな映画でした】439.[イーオン・フラックス]
2022年 4月14日 (木曜) [イーオン・フラックス](2005年 AEON FLUX アメリカ 93分)
カリン・クサマ監督作品。初めて。主演はシャーリーズ・セロン(イーオン役、撮影当時30歳)。[スタンドアップ]と同じ年に撮影されているようだ。相手役をマートン・ソーカス(撮影当時38歳)、初めて。脇役ではフランシス・マクドーマンドも変わった役柄で出ている。
舞台の設定は、2415年。去る400年前の2011年にウィルスによって人類の99%が死亡し、汚染された外界とは隔別されたなかで人々は生きている。そのなかでは支配者と被支配者に別れており、反逆者(その首魁をフランシス・マクドーマンド)が支配層の転覆を図っているというわけである。
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原題はこの主人公の女性の名前である。徐々に明らかにされていくのだが、ウィルス対策のワクチン接種の副作用で人類は「不妊」となってしまい、現存する人々はみな400年前の人間のクローンなのだと。しかしそれではいけないと不妊治療を研究しているのが、この社会の支配者(議長と呼ばれている)トレヴァーである。
支配をめぐっては、兄であるトレヴァーとその弟オーレンとの意見が食い違う。兄は元のように自然に子どもを産めるようにしたい、と考えて研究を続けている。一方、弟は今のまま、つまりクローン人間のままでいいと考える。そこから兄弟間で齟齬が生じ、権力争いとなる。
具体的には反逆者の一人イーオンが、議長トレヴァーを暗殺することに。その背景には弟とこの反逆者一味が裏でつながっているという、政治の世界ではありふれたことがここでも。
結局、イーオンはトレヴァーを殺せない。フッと遠い記憶が過ぎったからである。実は彼女はトレヴァーの妻だったと、あとで判明する。この暗殺指令を実行しなかったイーオンは、その仲間から命を狙われることになる。しかし昔からの友人の女性に何とか分かってもらい、窮地を脱することになる。
最後は、トレヴァーが議長に復権して、まともな社会を作り直していくことになるのだろう。もっとも首魁であった女性が、どのように処遇されたのかまでは描いていない。
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一つのテーマは、やはり人間は死するべきものなのだ、ということ。永遠に、クローンで生き続けるのはおかしい。限りある命だから、それを精一杯生きていけるのだ、といったところか。
シャーリーズ・セロンの立ち回りが凄いのだが、舞台挨拶でやはり怪我をしたと言っていた。大変な仕事ではある。
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