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【こんな映画でした】138.[地上より永遠に]

2009年 5月29日 (金曜) [地上より永遠に](1953年 FROM HERE TO ETERNITY アメリカ 117分)

 フレッド・ジンネマン監督作品。「ここよりとわに」と読む。なんともすごい題名の映画。だから私でもこの映画の存在だけは知っていた。モノクロ。アカデミー賞受賞作品でもある。1941年のハワイが舞台。アメリカ陸軍の宣伝映画の趣きもある。ラスト10分くらいのところで、日本軍による真珠湾攻撃。

 観ていて気になるのは、やたらタバコを吸うこと。昔の映画ほどそのようで、もしかしたら煙草会社が映画製作にかんでいるのかとも。基本は娯楽、エンタテーメントだから、そうめくじらたてずに楽しめばいいのかもしれない。それなりに人生の勉強にもなることだし。

 なお何が「永遠」なのかは、観る人によって違うだろう。愛なのか、軍隊なのか、国家なのか。そもそも永遠なんて可能なことだろうか、とか。やはり小うるさく考えてしまう。

2020年 3月25日 (水曜) [地上より永遠に]

 二度目。「1941年ハワイ」、そして軍人の姿が映し出されてすぐに、真珠湾攻撃が出てくるなと予想した。そもそもの原作も、軍隊への批判を描いているとのこと。さすがに映画ではその酷い有様をそのまま映像にはできなかったようだ。それにしても縦社会ゆえのいじめはやはり凄まじい。

 そのいじめを作中では、「もてなし」と訳していたが、「treatment」のことか。日本軍もそうだが、結局、軍隊という組織が問題だということだ。ここでの彼らは職業軍人なのだが。

 主役はカーク・ダグラス。既に観ている[家族の肖像]はこの映画の20年後なので、さすがにここでは若い(40歳くらい)。モンゴメリー・クリフトも撮影当時33歳くらい。女優ではデボラ・カー(32歳くらい)が良い。キリッとした美人。ドナ・リードも32歳くらいだが、カーより若く見えた。

 「ETERNITY」とは何か。女性あるいは人間に対する愛情なのか。はたまた国家に対する、つまり愛国心なのか。それとももっと大きなもの。神様とかといったものなのだろうか。

 いずれにせよ映画の終わりは、ハッピーエンドではないのだ。アメリカ映画なのに。それでもヒットしたということは、そこに何かがあるのだろう。

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