見出し画像

【こんな映画でした】1009.[潜水服は蝶の夢を見る]

2019年 3月25日 (月曜) [潜水服は蝶の夢を見る](2007年 LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY 112分 フランス/アメリカ)

 ジュリアン・シュナーベル監督作品。何の予備知識もなしに観るので、最初のピンボケのシーンは一体何なのか、と思いつつ。徐々にそれが主人公の視点・視線であることが分かってきた。

 ではなぜそんな状況になったのか。それはなかなか教えてくれない。というか、そのような状況に到った瞬間は、映画のほぼお終いで見せられることになるのだ。それまではともかく脳梗塞であり、それにともなう「ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)」であることが、観客に知らされている。

 あと主人公はもちろん声を出しては話せないので、観客には心の声としてその声が聞こえてくる仕組みになっている。そう言うやり方のせいで、私たちは主人公と一体感を持てるようになる。

 さて何といっても驚かされるのは、主人公は左目のまぶた以外の動きが一切できない状態であること。にもかかわらず頭の機能、記憶とか想像とかはできる。よって文章も口述筆記(?)できるということに。

 しかし声も発せられないので、まずは言語療法士が頻度順にアルファベットを口で言い、該当するもののところで瞬きを一回するというやり方である。気の遠くなるような作業というべきだろう。

 この映画の主人公よりはあとのことだったと思うが、徳洲会の徳田虎雄氏が病床で、目をひらがなの書かれたボードを見ていくことで文章というか口述するさまをニュースで見たことがある。

いいなと思ったら応援しよう!