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【こんな映画でした】211.[素晴らしき哉、人生!]

2019年 3月31日 (日曜) [素晴らしき哉、人生!](1946年 IT'S A WONDERFUL LIFE 130分 アメリカ)

 お見事としか言いようのない見事なアメリカ映画。上手い! 上手い、としか言いようがない。
 ジェームズ・スチュワートはやや年がいっており、最後のシーンでようやく実年齢に達しているようだ。だから20歳くらいの青年の時はややキツい。
ドナ・リードは24歳くらいで、いかにもアメリカ人女優というタイプ、かわいらしいということ。こちらは18歳から、四児の母親役まで(36歳くらいか)。

 クリスマスにちなんだ映画のようだが、太平洋戦争のことも出てくるし、ある種の国威高揚映画でもあるだろう。それもそのはずで、監督は名前はもちろん知っていたフランク・キャプラ。その理由は、第二次世界大戦中、戦争宣伝映画を製作していたからで、日本史の中で。

 教訓的な話なども含まれている。「8000ドル」を失ってしまうシーンでは、人間の驕慢を戒めているかのようだ。そしてどこまでも人の善意と好意を信じ、ひたすら真面目に尽くしていくことがみんなの幸せにつながるのだ、と高らかに歌い上げる。古き良きアメリカへの郷愁かもしれない。

 何となれば、ポッターという非道な金持ちをそこに敵役として入れていることからも分かる。そして彼がくすねた「8000ドル」はついに回収されることなく、彼の懐に入ったままなのだ。もちろんそれが現実というものだろう。

 ラストシーンも上手いものだ、「8000ドル」のことを諦めて刑務所に行くつもりで家に戻ると、メアリーがみんなに窮状を訴えて、彼らが募金するというもの。これで刑務所行きはなくなり、弟のハリーも帰還し、目出度し目出度し、で終わる。ジーンとこさせられる。

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