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【こんな映画でした】141.[スリー・ビルボード]

2021年 3月31日 (水曜) [スリー・ビルボード](2017年 THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI イギリス/アメリカ 116分)

 マーティン・マクドナー監督作品。イギリス人、撮影当時46歳。初めて。 新聞の映画評を読んだ時から、観たいと思っていた映画。ようやく入手。このところは可能な限りブルーレイディスクを買うことにしている。これも1000円ということで。

 主役ミルドレッド役の女優はフランシス・マクドーマンド、撮影当時59歳。[スタンドアップ](2005)のグローリー役で見たばかりだった。さすがにあれから歳をとっているのと、ここでは娘を失い憔悴した役なので、かなり老けて見えたわけだ。男優では悪役にあたる警官・ディクソンをサム・ロックウェル(撮影当時47歳)、初めてかもしれない。

 アメリカの地方都市というものが、日本における田舎同様に考えればいいのかどうか。そのあたりのことは分からないが、住民同士はそれぞれ小さい頃から知り合っているようだ。いわば何でもなーなーで済む社会のなのだろう。

 そんな中で起こった殺人事件。母親であるミルドレッドは警察がなかなか犯人を検挙できないことに業を煮やして、一つのアイデアを思いつく。それは家の近くにあった3枚の大看板であった。朽ち果ててはいたが、それを見て思いついたわけだ。

 赤一色の地に黒々と大きく数文字だけが書かれている。地元のウィロビー警察署長(ウディ・ハレルソン)、つまり責任者に呼びかける看板だったのだ。そこから事態がいろいろと動き出すことに。カットはされていたが、地元民からの看板に対する批判もあった。

 それでも急に犯人が捕まるわけではなく、警察署長はミルドレッドを訪問して事情を説明したり、現場に行ったり、と真面目に対応するまずは善良な人物として描かれている。ところが彼は膵臓ガン末期という状態にあり、おそらくそれを苦にしてであろう、自殺してしまう。

 警察官ディクソンが看板の広告会社担当者に暴力を振るい、新警察署長から解雇されることに。くさっていた彼を奮起させたのは、亡き警察署長の彼宛の遺書。そんなところに町の酒場に立ち寄ったよそ者の会話から、その犯人の目星が付くことになる。体を張ってその男のDNAを採取したのだが、検査の結果はシロ。おまけに9か月前の事件当時は軍務で国外にいた、ということが伝えられてくる。ミルドレッドにもその話をし、彼女とちょっとした和解が成立する。

 ラストシーンはその二人がクルマで、犯人とおぼしき男に会いにいくところ。ディクソンは荷台にライフルを持ち込んで。ただその先、その男に出会ってからどうするか。それはこれから決めよう、と二人が話しながら映画は終わる。つまり、敵役であったディクソンに対して、ミルドレッドがようやく心を開いていくところで映画は終わっている。なかなか味な終わり方だ。

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