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【こんな映画でした】378.[イン・ハー・シューズ]
2021年 4月17日 (土曜) [イン・ハー・シューズ](2005年 IN HER SHOES アメリカ 131分)
「彼女の靴で」という意味か。妹マギーが姉ローズの靴を無断借用するのと、ローズの結婚式で祖母エラの式での靴を借りて、という二つ。映画の内容のベースとしては、姉妹関係がメインで、あとこの姉妹の亡き母との関係、さらにこの姉妹と祖母との関係がある。いずれにせよ男性はやや精彩を欠く。
妹マギーは勉強が嫌い(になったのかもしれない)で、ろくに読めず・書けず・計算できないということに。一方、姉はガリ勉タイプで弁護士に。この二人の人間関係は、やはり姉妹でないと分からないものがある。それは妹が6歳の時に、母親が精神的な問題で自殺しているからのようだ。
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カーティス・ハンソン監督作品。初めて。姉ローズをトニ・コレット(撮影当時32歳)[めぐりあう時間たち](2002)で、妹マギーをキャメロン・ディアス(撮影当時32歳)[マルコヴィッチの穴](1999)で、祖母エラをシャーリー・マクレーン(撮影当時70歳)[ハリーの災難](1955)で。
もう一度原題について調べてみると「in someone's shoes」で「(人)と同様の立場[境遇・地位]に身を置いて、(人)の立場に立って[なって](考えて)、(人)の境遇になって」というイディオムだと分かった。つまり「彼女の立場に立って」ということになるようだ。
なかなか考えさせられるところがある。マギーが学力に自信がなく、ヤケになっていたのを老人ホームでのお年寄りとの出会いで自信を回復していく。あるいは人の役に立つということにより、生きがいを知っていく。そういうマギーの成長物語でもある。
一方、姉ローズもそれまで気張ってきた人生から、自分を見つめ直すことができ、結婚することになるという、これも一種の成長物語である。なお題名通りにローズの靴が山のように出てくる。ストレス発散であったようだ。