【こんな映画でした】911.[ものすごくうるさくて、ありえないほど近い]
2023年 6月28日 (水曜) [ものすごくうるさくて、ありえないほど近い](2011年 EXTREMELY LOUD & INCREDIBLY CLOSE アメリカ 129分)
スティーヴン・ダルドリー監督作品。父親にトム・ハンクス、母親にサンドラ・ブロック。祖父(?)にマックス・フォン・シドー。そして主人公オスカーをトーマス・ホーン(撮影当時13歳か)。
2001年の「9.11」を題材にした映画。父親がWTCの106階で人と会っているときに事件は起こる。何度か家に電話をしてオスカーと話そうとするが、ついに叶わず、亡くなってしまうことに。その際の6回の留守電がキーアイテムとなっている。
あとでの述懐から分かるのだが、実はオスカーは6回目のコールの際は家に帰っていたのだった。しかし怖くて、電話に出られなかった。それがずっと悔いになっていたことが分かる。
もう一つのキーアイテムは、まさしくキー、「鍵」であった。父親のクローゼットから偶然見つけ出した鍵と、それが入っていた封筒に書かれていた「Black」という名前をもとに、オスカーはその鍵の鍵穴を探す旅(?)に出掛けることになる。
これが父親との不幸な別れ方をした、彼の心の慰藉になっていく。ブラックという名前の人を訪ね歩くことによって、気が紛れることになっていく。最後の電話に出られなかったことに対する罪悪感を、払拭するための作業でもあったろう。
そんなオスカーを母親はちゃんと見ており、彼の行動のまえにあらかじめ多くのブラックさんを訪ねて、「息子がやってくるのでよろしく」としていたのだ。これも最後に明かされる。
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いずれにせよ9.11を扱ったこのようなテーマの映画は初めて観る。どれだけ罪深いことをしたかを、この事件の関係者は深く考えるべきだろう。もっともそれも国家のためだとして、一顧だにされることがないのだろう。
マックス・フォン・シドーが、トラウマによって声が出せない・話せないという役柄を演じている。撮影当時82歳とメイキングで言っていた。