【こんな映画でした】937.[ディープエンド・オブ・オーシャン]
2021年11月18日 (木曜) [ディープエンド・オブ・オーシャン](1999年 THE DEEP END OF THE OCEAN アメリカ 108分)
ウール・グロスバード監督作品。[恋におちて](1984)を観ている。主役の母親をミシェル・ファイファー(撮影当時41歳)、こちらは[ニューイヤーズ・イブ](2011)で観ている。その夫はトリート・ウィリアムズ(撮影当時47歳)、これまた古いが[ヘアー](1979)で観ているようだ。
子役が良かった。兄ヴィンセント役をコリー・バック(7歳役)とジョナサン・ジャクソン(16歳役)の二人で。なお誘拐されたベンはライアン・メリマン。3人ともよくその役柄の味を出していた。
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事件は、母親が三歳の子どもの側を離れたために起こる。彼女はことの責任を十分に感じているので、夫も強く非難することはなかった。その母親の姿を見て育つこととなった兄と妹は、母親の愛情を十分には受け取れず、不幸な歳月が流れることになる。
ただ、後で分かるのだが、兄のヴィンセントも弟ベンの失踪に責任を感じており、そのために母親とも上手くいかないのだった。最後に、実はヴィンセントがベンの手を放し、消えてしまえと言ったことも判明するのだが。
母親の異常なまでのベンに対する執着が、自分を許さないことと夫や二人の子どもたちとも融和的に付き合えない状況に、自ら追い込んでしまう。これが根本的な問題だ。辛くても耐えて、家族との生活を大事にすべきであった。
もう一点、さすがにハッピーエンドということになるのだが、その前に発見されたベンを連れ帰り、暮らすことになるが、さすがに三歳児の記憶は何もなく、いくら両親と兄妹だと言われてもしっくりこないのだ。
人間の記憶は何歳くらいからあるのか。三歳児の記憶はどうか。とまれ意識としての記憶は、ついに思い出されることなく終わる。ただ救いは、臭いであった。人間の原始的な本能の部分が反応して、ベンは思い出すことになるのだ。
事実かどうかの検証は難しいが、小説としてはまずまずの決着だろう。その後、一旦、養親の父親の元に戻るが、最終的に母親の元に帰ってくることでハッピーエンドとしている。いろいろと考えさせられる映画ではある。
知ってる俳優でウーピー・ゴールドバーグが刑事役で出演していた。
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