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【こんな映画でした】885.[ヒッチコックの ゆすり]

2020年 6月24日 (水曜) [ヒッチコックの ゆすり](1929年 BLACKMAIL 恐喝(ゆすり) イギリス 85分)

 本(『映画術』1990年 晶文社)のヒッチコックによると、結末は違ったらしい。オープニングシーンのバリエーションにするつもりだったらしい。しかしそれでは暗すぎるとして、プロデューサーから反対されて、ということ。

 いろいろと工夫がされているのは、他の作品同様。ただ本には書いてなかったが、ブラックメールはあのアリスとフランクに対するものとの理解が普通だろう。しかしそれではあの強請男が、画家の家の前にいた理由が不明である。そして画家が手紙を見て、顔色を変えて管理人のおばさんに尋ねる意味が分からないことになる。そしてその男の特色は、その管理人によると、その強請男に合致するのだ。

 つまり私が考えたのは、ブラックメール(ゆすり)は二段構えだったのではないかということ。まず画家が脅迫されているのが一つ目。二つ目は言うまでもなく、待ち伏せしていた強請男の前をアリスが出ていったことから推測しての脅迫(もしかしたらアリスがもう一つの手袋を玄関前に落としたのを拾っていたのかもしれない)。この二つである。本当のところは分からないのだが、もしかしたら当たっているかもしれない。

 なお最初は無声映画かと思った。少ししてからセリフが聞こえてきて、トーキーだと知れた。

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