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【こんな映画でした】162.[レディ・バード]
2019年 4月 1日 (月曜) [レディ・バード](2017年 LADY BIRD 94分 アメリカ)
シアーシャ・ローナン主役の映画。ようやく観ることができた。大まかなあらすじは読んでいたが、映画が始まってたちまちこれは何だろうという違和感を感じさせられた。こんな映画だったのか、と。見終わって考えたら、アメリカの18歳くらいの高校生の有り様・生き方ということのようなのだ。
なにより家族が、あまり上手くいってなさそうな、ぎくしゃくした雰囲気が漂っている。父親の失業・鬱病傾向。母親は仕事の忙しさと家計のやりくりの大変さで、精神的にかなり参っている。養子で兄にあたるミゲルも求職中。すべては母親一人にかかっている。
で、一人娘であるレディバードに当たることに(と、彼女は感じ、考えている)。というあたりからようやく私にもこの映画は、母と娘を描いたものであることが分かってきた。
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アメリカ映画に多い「父と息子」バージョンの逆パターン。もちろん日本でも「母と娘」の凄絶な関係は大変なものである。このアメリカバージョンか。母も娘も気が強く、なかなかお互いに寄り添えない・甘えられない。互いにそれを不満に思っており、それではいけないと思いつつも、現実の厳しい経済生活がそれを許さない。
母親の愛情を受けられないと感じる彼女は、家からの脱出を図る。それが気に食わない母親。と、こういった調子で最後のシーンまで続く。それもニューヨークへ旅立つ娘を飛行場まで送っていったにもかかわらず、ハグもせず駐車場代が高いからとすぐに帰っていってしまう有様。
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この母子の「和解」は、娘からのニューヨークからの携帯電話での留守電の録音で実現されることとなる。電話を吹きこんだところで映画は終わるので、分からないといえば分からないのだが、そこまでは悲観的に観ることはないだろう。多くの人たちが通過する青春期と、その親たちとの葛藤を描く作品、ということになるか。
なお資料によると監督・脚本のグレタ・ガーウィグは、当初『Mothers and Daughters』として書いていたとのこと。