【こんな映画でした】340.[明日では遅すぎる]
2021年 7月 6日 (火曜) [明日では遅すぎる](1950年 Domani è troppo tardi TOMORROW IS TOO LATE イタリア 97分)
「イタリア映画コレクション 2ペンスの希望」の一枚。若い頃にこの原作の小説を読んだ記憶がある。監督のレオニード・モギーは初めて。主役の教師をヴィットリオ・デ・シーカと、アンナ先生をロイス・マクスウェル、撮影当時23歳。[007]シリーズ14本で「マネーペニー」役で出ている。
生徒役のミケッレをアンナ・マリア・ピアアンジェリ、撮影当時17歳、美少女だ。相手役フランコをジーノ・レウリーニ、撮影当時15歳。あと女性校長をガブリエル・ドルジア、撮影当時64歳。[旅路の果て](1939)・[情婦マノン](1948)に出ていたようだ。
解説には「古めかしい教育体制の学校に通う少年少女たちの性の芽生えや葛藤を、両想いの生徒二人に焦点を当てて描いた青春ドラマ。ヴェネチア国際映画祭最優秀イタリア映画賞受賞作!」。
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真っ当な中味であり、映画である。性教育についてはいずこも同じで、大人たちは苦労するようだ。今作でも父親が息子に話そうとするのだが、しくじっている。あと学校の保守性は強烈だ。そしてすぐに体罰である。
ここでも女の新任の先生は元気で正論を述べるが、デ・シーカ演じる妻帯者の教師は言を左右にするしかない。やはり守るべきものを持つと、いくらおかしくてもそれをおかしいと言えなくなる。これは生徒たちというより、教師が観た方がいい映画だろう。