![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/92767987/rectangle_large_type_2_ae671da87076095a7bc5035556f1a178.png?width=1200)
【こんな映画でした】282.[ヴィンセントが教えてくれたこと]
2021年11月13日 (土曜) [ヴィンセントが教えてくれたこと](2014年 St. VINCENT アメリカ 102分)
セオドア・メルフィ監督作品。原題にあるように、「聖人ヴィンセント」だが、そのいわれはオリバー(ジェイデン・リーバハー、撮影当時11歳)が学校での授業(宗教の時間か)で、各自がそれぞれ思うところの「聖人」を探して発表せよ、というのがあることから。
その聖人ヴィンセントにビル・マーレイ(撮影当時63歳、というより私の同じ1950年生まれであった)が、強気の人を食ったような、しかし一面寂しさを感じさせる演技を。
そのヴィンセントを(お金はもらうが)慰めるのがダカ役のナオミ・ワッツ。撮影当時45歳。しかも妊娠中。このこともあとで重要な役割を果たすことに。とまれ彼女はダンサー兼「売春婦」ということのようだ(オリバーの母マギーが言っている)。
いじめられっ子のオリバーのシッターに偶然なってしまった隣家のヴィンセントが、彼に「いろいろと教える」ところから、この邦題になったようだ。その中味たるや親からすれば顰蹙ものであるが、子供にすればすべて好奇心をくすぐるものである。およそ聖人らしからぬことを教えるところが面白い。
お終いの方でヴィンセントの施設に入っていた(おそらく認知症の)妻が亡くなり、彼はひとりになる。その孤独の有様が痛々しい。しかし、人はやはり生きていかねばならない。その際に、ほんの少しでも心を通わせることのできる人たちがいれば幸せだろう。ここではダカが一緒に暮らすようになるのかも?