【こんな映画でした】1012.[十二人の怒れる男]
2019年 3月14日 (木曜) [十二人の怒れる男](1957年 12 ANGRY MEN 95分 アメリカ)
かつて観ているはずだが、いつのことかは忘れた。いずれデータを整理すれば分かるかもしれない。もしかすると、観てないということもないではない。要するに部分的に観たか、本で見たかもしれない。
ということで中味については、初めて観るのと変わりない感覚で観ることとなった。基本的なあり方である「疑わしきは罰せず」ということ。
最初に無罪とした陪審員(ヘンリー・フォンダ)も、無罪の確信があるわけではない、として話を始めている。ほんの少しでも疑義があれば、とりあえずそれを考えるために無罪の票を投じたということ。
さもなければ全員一致で有罪になってしまうからだ。人は様々な理由で、みんなに迎合する。その方が自分の利益に叶うからだ。そこでは親身さとまではいわなくても、最低限の誠意すら省こうとしてしまうのだ。
さてみんなで考えていくと、やはりその効果が表れてくる。つまり各陪審員もうっすら気になっていたこと、おかしいと思ったことなどが浮かび上がってくるのだ。そういうものだろう。
もういい、と思ってしまったら何も思い浮かばないものだ。そのようなディスカッションによって、最終的に無罪の全員一致に到り、映画は終わる。なるほど、とうならされる内容・脚本である。
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あと狭い密室でだけの映像だが、カメラアングルなどに工夫が見られ、一気に観てしまうことに。もちろんアメリカ的な臭さをやや感じないわけではないが。やはりご立派というべきか。
監督はシドニー・ルメット。[セルピコ] (1973)・[狼たちの午後] (1975)・[評決](1982)を観ている。