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【こんな映画でした】1043.[アパッチ砦]
2023年 5月27日 (土曜) [アパッチ砦](1948年 FORT APACHE アメリカ 128分)
ジョン・フォード監督作品。三部作の1作目。2作目は2020年 9月20日 (日曜)に観た[黄色いリボン](1949年 SHE WORE A YELLOW RIBBON アメリカ 104分)、3作目は2022年 5月17日 (火曜)に観た[リオ・グランデの砦](1950年 RIO GRANDE アメリカ 105分)。いずれも私の感想は、酷評である。だからこの[アパッチ砦]は観ずにずっとほったらかしてあったわけだ。今回観る切っ掛けになったのは、『ジョン・フォード論』(蓮實重彦 文藝春秋 2022年)を図書館から借りだして読み始めたからである。
早速、この[アパッチ砦]のことが取り上げられていたので、これは観ないことには話にならないということで観た次第。ひと言で言うと、この三部作の中ではこれが一番真っ当ではないかと私は思った。
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キチンとネイティブ側の事情もコーチスに話させているし、それに応対してきたヨーク大尉(ジョン・ウェイン)も極めて真っ当である。人間同士の信義を重んじて約束を守ろうとしている。
それに対してアパッチ砦の司令官であるサースデイ中佐(ヘンリー・フォンダ)は、ネイティブを野蛮人として約束を反故にし、攻撃し全滅させようとする。つまり騎兵隊という軍隊の悪いところもキチンと指摘しているのだ。
もっともラストは、死者に鞭打たないということでサースデイ中佐の肖像画の前でヨーク大尉が賛辞を述べて終わっている。いわばバランスを取っている。
ところがこの次の二作は、そういう意味では無惨である。ネイティブは悪でしかないように描いている。映画会社からの圧力なのだろうか。