見出し画像

【こんな映画でした】926.[サマー・オブ・サム]

2022年 5月 4日 (水曜) [サマー・オブ・サム](1999年 SUMMER OF SAM アメリカ 143分)

 スパイク・リー監督作品。1977年のニューヨークで実際にあった連続殺人事件を描く。その犯人捜しと同時に、犯人と目された人物へのリンチというもの。みんなと違う風体・言動をしているということで、疑われて私刑にあうという理不尽さを描いている。

 直接的に黒人差別のことを云々しないが、インタビューである女性に言わせている。もし黒人が白人をこの事件のように銃撃して連続殺人事件を起こしていたら暴動が起きる、と。

(105分~黒人女性ブキャナンの話)
「これから私の率直な意見を言うわ。よく聞いてちょうだい。ああ神様、ありがたや。よかったのは白人が、白人を殺していることよ。というのも、もし黒人が白人たちを殺していたら、ものすごい人種暴動が起こって、NYは大混乱になるわ。もう一言。あんた、よくここへ来たわね。黒人嫌いだと思ってた」
「J.ジェフリーズがNYのブルックリンからお伝えしました」
【おそらくその指摘が現実なのだろう。インタビューアーに扮するのはスパイク・リー監督自身。そしてその言わせている中身も監督の脚本だろう。】

 主たる狂言回し役のヴィニーはジョン・レグイザモ、その親友リッチーをエイドリアン・ブロディ。セックスシーンが多用され、車の中のカップルが銃撃されるところも血しぶきが飛ぶというハードなもの。しかし、それらを全体にまぶすことによってこの監督なりの主張を表現しているのだろう。メッセージだけをボンと出すだけでは客は入らない、つまり映画(興行収入)としては失敗ということになるので。

いいなと思ったら応援しよう!