
【こんな映画でした】825.[バーバー]
2023年 2月17日 (金曜) [バーバー](2001年 THE MAN WHO WASN'T THERE アメリカ 116分)
コーエン兄弟監督作品。モノクロ。主役エド・クレインをビリー・ボブ・ソーントン(撮影当時45歳)、これまで何本か観ている。その妻をフランシス・マクドーマンド(撮影当時43歳)。脇役ではディヴ役にジェームズ・ガンドルフィーニ(撮影当時40歳)、[天使の処刑人]で観ている。
何とも不条理な映画である。ジャンル的にはノワール・クライム映画か。ミステリーとして観ていたら、おしまいにどんでん返しがあった。何ともやり切れないストーリーである。この男・エドの人生とは一体何だったのだろう、と。
敢えて言えば、無気力な人間の投げやりな生き方というものは、本人だけではなくまわりの人にも悪影響をおよぼすということだろう。エドの場合では、たしかに1万ドルの投資話と知人の娘をピアニストにして自分はマネージャーに、との「やる気」をみせるシーンがあるにはあったが。
*
メイキングで監督が言っていたのは、モノクロ撮影の難しさで、現にカラーで見えているものが、モノクロではどのようになるのか分からないので、何度もポラロイドで写真を撮って確認したとのこと。そういう難しさがあるのだろう。逆に言うと、昔のモノクロ撮影監督というのは凄い技術を持っていたということだろう。
*
2023年 3月31日 (金曜) [バーバー](2001年 THE MAN WHO WASN'T THERE アメリカ 116分)音声解説版
2023年 2月17日に観たものの、監督と主役ビリー・ボブ・ソーントンによる音声解説版を観る。あらためてモノクロ映像の魅力を感じさせられる。カラーだとどうしても色彩に目がいってしまいがち。モノクロは物の本質をあぶり出す効果があるのかもしれない。それにしても特異な映画であった。スカーレット・ヨハンソンは、私も何本か観ていたことに気が付いた。