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【こんな映画でした】631.[あの子を探して]

2020年 7月10日 (金曜) [あの子を探して](1999年 NOT ONE LESS 一個都不能少 中国 106分)

 『12歳からの映画ガイド 生き抜く力を学ぶ!必見50本+150』(佐藤忠男 小学館 2007年)に紹介されていたもの。ちょっと見出したら、止められなくなった。引きこまれていく魅力がある。

 代理の教師ということでやってくるのが、およそ教育の何たるかも知らない、つまり教育学も何もない女の子(?)ということで、まず驚かされる。前任の教師からテキストを黒板に書いて、それを生徒に写させなさいと指示をされていたのではあるが。

 言うまでもなくそんな教育法とも言えないやり方で、小さな子どもたちが我慢できるはずがない。案の定、狭い教室の中をウロウロ、あるいは追いかけっこをしたり、外へ出て行こうとしたりする。

 それらに対して、ただ強権的に注意するだけで、教育ということでの努力はこの代理先生は何もしない。いや、できない。そんな中でまず生徒が一人減ることに。前任の教師から、一ヶ月後に戻ってくるまでに一人も生徒がやめることがないようにと釘を刺されていたのだが。

 そしていま一人、貧しい家庭のホエクが町へ働きに出さされることに。代理先生は、これは大変とばかり家庭訪問をし、町へ出稼ぎに出かけたことを知る。何とか連れ帰ろうと、町へ行こうとするが交通機関がない。

 バスはあるが、料金が高くてそのお金がない。そこで何と代理先生は、生徒たちから金を集める。いま持ってない子は、明日もってこい、と。当然ブーイング。そこで一人が、レンガ工場で運搬作業をしたらお金になることを代理先生に言う。で、早速その作業に掛かる。一個運んでいくらになるか、ということで教室では算数の授業となる。

 チャン・イーモウ監督作品。その主役の女の子先生はウェイ・ミンジで、撮影当時何と14歳。いくら一ヶ月間の代理とはいえ、すごいことだ。日本でも戦中というか戦時下には類似のことがあったようだが。

 問題児の「あの子」はチャン・ホエクーで、いずれも本名のようだ。これは[ミツバチのささやき]がそうであったように、子役の場合はその子の本名にしておくのが良いようだ。

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