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【こんな映画でした】400.[アンナ・マグダレーナ・バッハの日記]

2021年 5月 3日 (月曜) [アンナ・マグダレーナ・バッハの日記](1967年 CHRONIK DER ANNA MAGDALENA BACH THE CHRONICLE OF ANNA MAGDALENA BACH アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記 西ドイツ/イタリア 94分)

 ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレの夫妻による監督作品。バッハ当時の服装・髪型、そしておそらく演奏形式で。バッハをグスタフ・レオンハルト、撮影当時39歳。アンナ役をクリスティアーネ・ラング=ドレヴァンツ、撮影当時の年齢は不詳。

 DVDで購入して見ようと思っていたが、ユーチューブであったので、こちらで。それにしても何とも風変わりな音楽映画というべきか。基本はバッハの曲の演奏風景。それに「日記」の記述がナレーションで。

 それにしても音楽家というのは、この時代も(この時代こそ、と言うべきか)大変であったということだ。バッハ自身の、おそらく手紙にあるのだろうが、報酬の少なさを訴えている。そのために優秀な音楽家を雇えないことも。

 あるいはまた彼の地位として、どうしても国王や教会に仕えざるを得ない当時の状況からして、その立場はとても弱いものであったようだ。自由も権限もない。これでは真の芸術の創造にはほど遠いということだが、それが当時の現実だろう。

 経済的基盤の安定がなければ、芸術はなかなか実現しにくいものだ。それは今も同じ。このバッハの時代はまだ芸術家という認識はなく、雇われの音楽家(職人)でしかなかった。芸術の大衆化の時代まで待つしかなかったということか。

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