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【こんな映画でした】263.[裸の町]

2021年 3月19日 (金曜) [裸の町](1948年 THE NAKED CITY アメリカ 96分)

 「サスペンス映画コレクション 名優が演じる犯罪の世界」の一枚。淀川長治・猪俣勝人のリストにもあった。ジュールス・ダッシン監督作品。初めて。解説には「女性の溺死体が発見され、殺人課が動き出す。ニューヨークの町を舞台に、マルドゥーン警部補と新米警官のハロランが殺人事件の真相を追うミステリーサスペンス。実際の町で撮影が行われた臨場感溢れる映像は必見。」とある。

 主演の刑事ダンにバリー・フィッツジェラルド、撮影当時59歳。[赤ちゃん教育](1938)・[わが谷は緑なりき](1941)・[我が道を往く](1944)を観ている。アイルランド人で、この映画でもそのようだ。その相方の新人刑事にドン・テイラー、撮影当時27歳で後に監督も。[第十七捕虜収容所](1953)に出ていたようだ。

 ニューヨークという大都市の、まさしく「裸の町」の状況を描く。ここでは宝石泥棒とそれにからむ殺人事件。大都市にはつきもののアイテムか、残念ながら。欲望渦巻く典型的な場所であるから。田舎から出て来た若くて美しい女性が、どのようにして良い生活を送り、そのための必然的ともいえる奈落の道に転落していくか。そんな内容である。ラストシーンは、それの象徴のように犯人が高所から転落する。

 邦題は原題通りのようだが、「NAKED」には「剥き出しの」といった意味を含んでいるような気がする。剥き出しの欲望が渦巻く都市、ということ。さらに「ありのままの、無防備の」といった意味も。

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