
【こんな映画でした】1035.[スタンリーのお弁当箱]
2019年 8月26日 (月曜) [スタンリーのお弁当箱](2011年 STANLEY KA DABBA STANLEY'S TIFFIN BOX 96分 インド)
アマゾンプライムで。お弁当を持ってこれない生徒(10歳くらいの男の子)スタンリーと、彼を取り巻く子どもたちの心温まるお話、というところ。
まず正直驚かされるのは、このスタンリーが通う学校はキリスト教関係。自ずからクリスマスや、マリア様といった言葉が出て来る。宗教のことはさておき、学校であるから教師がおり、生徒がいる。ここの生徒たちはかなり質が良いようだ。対して教師の方は、いずこの国も同じかと嘆息させられるような人が多いようだ。
そんな中で一人でも味方になってくれる、いやそうではなくても最低限公平に応対してくれる教師がいれば、生徒たちは救われる・やっていけるということだが。
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スタンリーの理解者は、英語教師ロージー(ディヴィヤ・ダッタ)と、おしまいの方で分かるのだが、スタンリーが引きとられている店で働く男性アクラム、この二人である。彼らのおかげでスタンリーは、自らの誇りを失うことなく生きていけるということなのだ。
最後、映画のあとエンドロールの前にに挿入されているテロップは、「インドで働く児童の数は1200万人以上、家事労働を含めると5000万人以上にも上る」と。
この映画の舞台はムンバイであったが、全インドでは多くの子どもたちが働いていると、ただそのデータだけが紹介されている。そういう意味での啓蒙映画でもあるのかもしれない。
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それにしても生徒たちは、まだ10歳くらいとはいえ、教師に表立って反抗はしない(スタンリーが学校に来れなくなってからは、その教師に対し反発するように厳しい顔・表情をしているが)。それをいいことにスタンリーをいじめる(?)教師が登場するわけだが。
この教師が最終的にスタンリーに謝罪し、学校を辞めていく。これはなかなか日本などではないことだろう。
また最後の最後までスタンリーは、両親のことを他の生徒たちにも教師たちにも話さない。だからお弁当箱をもって教師たちのところに行って、そのお弁当をプレゼントしても「お母さんが作った」と答えるのだった(本当はアクラムが作ってくれた)。なかなか複雑なところだ。
このスタンリーだが、叔父さんに引きとられてその飲食店で働いていることが、映画の終わりで観客に分かる。邪魔者扱いされている様子。ここで働くアクラムが味方してくれているということに。どんな未来が彼を待つのか。それは分からない。いわゆるハッピーエンドとは言えない。
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2024年10月30日(水曜) [スタンリーのお弁当箱](2011年 STANLEY KA DABBA STANLEY'S TIFFIN BOX 96分 インド)
アモール・グプテ監督作品。弁当を無心する嫌みな教師役を監督自ら演じている。今回は二度目、DVDで。
スタンリーがどうしてお弁当を学校に持ってこれないのか、その理由、つまり彼の両親のことなどストーリーはすっかり忘れていた。アクラムという青年が出て来て、ようやく思い出した。子どもが主人公の映画なので、やはり子役たちが良い。みんな素人なのだろうか。