【こんな映画でした】782.[チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道]
2022年 4月21日 (木曜) [チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道](2008年 THE CHILDREN OF HUANG SHI オーストラリア/中国/ドイツ 125分)
ロジャー・スポティスウッド監督作品。[ボブという名の猫 幸せのハイタッチ](2016)を観ている。映画は1937年12月の上海から始まり、主人公ジョージ・ホッグ(ジョナサン・リス・マイヤーズ、撮影当時30歳)が赤十字のトラックで南京入りする。そこでいわゆる南京大虐殺の実態を垣間見、写真を撮る。そのことから危うく殺されそうになるが、ジャック(チョウ・ユンファ)という中国人に助けられて逃げ出す。
行った先には中国人孤児たちが数十名おり、そこで彼は生活をともにしていくことになる。その後、戦況が厳しくなり移動していくことに。その際、医療を担当するリー(ラダ・ミッチェル)という女性が活動している。
南京大虐殺の日本軍の残虐行為は、比較的あっさりと少なめに描写されている。つまりこの映画は、日本軍を糾弾することを第一の目的とはしていないということだ。あくまでも中国国内での国民党・共産党・日本軍という三つどもえの争乱のなかで、苦労して生きていく人々、就中、子どもたちを描く。その苦労の前提条件として、日本軍の中国侵略があったわけだ。
「ホァンシー」は中国の地名で、漢字では「黄石」。南京の南西に位置する。ここから北西に向けて、シーアン(西安)・ランジョウ(蘭州)を経て、シャンタン(山丹)までの逃避行でもある。
ラダ・ミッチェルは[メリンダとメリンダ]・[ネバーランド](ともに2004年)で観ていた。