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セカンドハウス 『裏庭のリース』

12月になった。
垣根のドウダンツツジは真っ赤に染まり、夏蜜柑もあっという間に黄色く色づいた。

晩秋のフロント

庭や外回りの落ち葉は半端ない。掃除している端から櫟木の黄色い葉がヒラヒラと舞い降りてくる。
『てみ』をスコッブがわりに落ち葉の塊に突っ込み、ガーデン袋に入れ、その後、ブロワーでまた残りをかき集める。その作業の繰り返し。
数十分で汗ばむほど。

空気も乾いているので夏に比べれば全く苦にならない。
庭に出るのが楽しい。風を浴びるとスーッと気持ちが良い。

さあ、嫌にならないうちに『見ないようにしてきた伸びきった裏庭のキウイ棚の蔓』に着手しようではないか。

昨年、剪定期を逃したキウイの蔓は、我が物顔で周囲の木々にも絡みつき、大暴れ。風通しも悪かったから、夏には葉っぱに無数の虫がついてどうにもこうにも近づけなかった。
秋になっていよいよ勢いを失い、葉っぱも落ち始めたので今がチャンス。
まずは、周到に用意しておいた枝切り用剪定ハサミで棚の縁からカットしてゆく。
流石、新しいハサミは切れ味抜群ですな。

『そうだ、これって、何かに使えそう。』
そういえば数年前に農業系雑誌の仕事で、『キウイの蔓を使ったクリスマスリース』の提案をしたことがあった。
作業の手を止めて、くるくるとまとめてみる。
硬い蔓は折れがちだが、まだ切りたて半生の素材は柔らかくまとめやすい。
このまま、来週まで置いて乾かしておこう。

裏庭のキウイの棚

翌週、また蔓のカット作業をしているとキウイの伸びきった蔓が隣の森の檜の大木まで達しており、見上げると『赤い実をつけた蔓』が上からぶら下がっている。
『あ、天然のツルウメモドキ。いいもの見つけちゃった。』

天然の蔓梅もどき

脚立を出してお腹の皮も伸びきった感じで剪定バサミでカットしようとするが、風で蔓が波のように動いて捕まらない。
ここで転んでは一大事。慎重に踏ん張って、風が弱まったところで蔓を捕まえ、なんとか切り落とした。

その後、乾かしておいたキウイ蔓に蔓梅もどきを取り付ける。
ワイヤーや紐も使わない、ワイルドなリースの出来上がり。

キウイの蔓と蔓梅もどきのリース

玄関にいい感じの壺があったので、飾ってみる。
ワイルドものがが少し格調高くなった。

玄関装飾

実は、今年はクリスマス装飾は仕事ではこなしたものの、自分のお稽古やワークショップを開催しないので、クリスマス花材を注文することすらすっかり忘れていた。

でもこれで十分ではないか。

数年前から『周りにある植物を使って創作すること』が、『自分の最終的な理想』ということに気がついてから、ようやくここで実体感することができてとても満足している。

ここでのゆるい時間軸の中で、植物との出会いを愉しんでいこう。


追記

さて、室内では夏の間、隙間を見つけて遠慮なく侵入していた『蟻』に頭を悩ませていた。
ようやく11月後半から最低気温が10度を下回るようになり、休眠期を迎えたのかほぼ姿を消した。お陰様で到着してすぐの掃除がだいぶ楽になった。

リビングには、アーコールチェアも膝掛けも加わった。

アーコールチェアと膝掛け

陽射しも傾いて、家の奥まで陽が入るようになる。
作業後の珈琲が、またここでのお愉しみ時間だ。

晩秋に差し込む陽射し

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