ダブルスステンレスドリッパー(HARIO)レビュー

楽天スーパーセールに便乗して、以前から欲しかったものの買う勇気がなかったものを買ってみた。それがこちら。

https://www.hario.com/seihin/productdetail.php?product=KDD-02-HSV

HARIOのダブルステンレスドリッパー・粕谷モデル。粕谷さんは「PHILOCOFFEA」を経営する方で、私は東京方面に行くときには成田空港から船橋駅で途中下車し、「ラダーコーヒー」という店舗でコーヒーを飲んでいる。毎回飲んでしまうくらいにはファンだ。そんな方が作ったドリッパーだからずっと欲しかったんだけど、5000円overという値段、そしてすでにドリッパーがうちにはいくつもある状況、それらを鑑みるになかなか買えなかった。でも、楽天市場では値段がなかなかこなれてきている。これはもう、気になっているものを、えいやと買うチャンスではないか、そう思って買ってみた次第。

そして今日の夜届いた。早速淹れてみたいと思ったが、うちには中性洗剤がない。弱アルカリ性洗剤しかない。これではステンレスドリッパーを洗うことができないので、受け取ったその足で中性洗剤を買いに行くことにした。

さて、中性洗剤を手に入れたところで、さっそく淹れてみる。今回淹れたのはこの豆。

https://item.rakuten.co.jp/coffee-takamura/c/0000000593/

同じく楽天スーパーセールに便乗して買った、タカムラコーヒーの「インドネシア スマトラ タノバタック」だ。この豆はペーパードリップで2度淹れている。届いた翌日に淹れたときはコーヒーとは思えない、鼻を突き抜けていく凄まじい酸味と後味の苦みに驚いた。人によっては大いに好き嫌いが分かれるであろう突き抜け具合であった。2日ほど寝かせた二度目の抽出では、幾分かその酸味はマイルドになってしまったが、それでもなんだか「突き抜けた」味わいを感じるコーヒーであった。この豆をダブルステンレスドリッパーで淹れると味わいがどう変わるのか、楽しみだ。

ところでこのドリッパー、ネルドリップの味に近づけるように作られているらしい。残念なことに、私はネルドリップを経験したことがない。昔、甲府の昔ながらの喫茶店でネルドリップのコーヒーを飲んで、やっぱり美味いなぁと思ったことはあるのだけど、自分では淹れたことはない。だから、ネルドリップとの比較(味とか淹れやすさとか)はすることができない。あらかじめご承知おきいただきたい。

さて、実際にドリップし始めてみた。まず感じた印象は、ペーパーよりもお湯の落ち具合が遅いということだ。私は「パーフェクトタッチⅡ」というミルを使っている。私の設定が悪いのか、粗びきもそれほど粗くないと個人的には思っている。そのせいかもしれないが、少しお湯の落ち具合が遅い気がする。

https://www.melitta.co.jp/products/coffeemill/perfecttouch.html

ただ、豆の膨らみ具合には驚いた。膨らませることが良いこととは限らないが、しっかりとまんべんなくお湯が触れているのか、思いのほかしっかりと膨らんだ。

注湯を細かく細かく分けて行い、3杯分程度のコーヒーを淹れてみた。抽出されたコーヒーを上から眺めた感じ、いつものペーパーでの抽出よりも黒く見えた。側面からみると濁りというか、コーヒーオイルの色合いのようなものを見ることができた(ような気がする)。見た感じは想像通り(レビュー通り)プレスで淹れたコーヒーとよく似ているように見えた。

実際に飲んでみた。さて、ペーパーとの違いはどうか・・・。想像以上に違った。今回の「インドネシア スマトラ タノバタック」の場合は本当に違って感じた。ペーパーで淹れたときは「とんがった印象」「酸味が突き抜けている印象」だったが、ダブルステンレスドリッパーで淹れると全体的にマイルドな印象というか、バランスが良くなったように感じた。おそらく、コーヒーオイルによってマイルドに感じたのだろう。「突き抜けた部分」が「丸く」なったように感じた。

そしてコーヒー自体が軽やかなものではなく、満足度のあるガツンとした重みのあるものになった。ペーパーによって吸収されていたコーヒー本来の味も抽出したからだろうか。しっかりとした飲みごたえを感じられるものとなっている。

三杯分淹れたうちの上の部分を飲んでいるからまだはっきりと言い切れないけど、思ったよりも微粉は落ちていないように感じる。若干前述の感想と矛盾を感じるかもしれないが、そういう意味ではクリアな味わいである。

三杯分淹れて、とりあえず一杯分飲んだ。残りは冷蔵庫に入れて、温度変化による味わいの変化を見てみたい。とりあえず冷めた状態のコーヒーを少しだけ飲んでみた。うん。全体的にマイルドな、バランスが取れた印象は変わらない。しっかりと苦みの出るコーヒー豆のほうが相性がいいのかな、とも思う。また別の豆も試さなければならぬ。明日の朝にはアイスコーヒーになったものを試せるだろう。楽しみだ。後日プレスで淹れて、それとも比較してみたい。

というわけで、ダブルステンレスドリッパーを試してみた。かなり味わいが変わったので驚いている。まだまだいろいろな豆で試してみなければと思うが、ポテンシャルの高さを感じるドリッパーだ。興味のある方はぜひ試してみてほしい。

【追記】
一晩冷蔵庫で寝かせてアイスコーヒーにしてみた。底の方なので微粉の様子もよく分かる。やっぱり微粉自体は落ちている。今度は珈琲考具のパウダーコントロールミルで淹れてみよう。
アイスコーヒーになると、ねっとりとした飲み心地と豆の持つ甘みを感じた。これはペーパーで淹れたものを冷やしたのとはやっぱり違う。随分と飲みやすい。が、やはり重厚な重みも感じられる。満足感の高い一杯になった。

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