風と埃と蜜と翼と。
午後四時半の教室ではいつものように、先生が奏でる念仏のような声色で補習が進んでいる。それをぼうっとした頭に辛うじて流しこみながら、あたしは自然と聞こえてくる歓声に惹かれて窓の外を眺めた。
狭い一室に押しこめられた人の気も知らずに、文句を言いたくなってしまうほど清々しく晴れ渡った空の下では、補習を受けていない生徒達が部活動に励んでいる。
別に必要もないのに汗を流したがる——これは多分、すごく穿った見方——運動部の子達の考えはどうしても分からないけれど、そんなみんなを見ているのは