マイク・タイソン、58歳、一番大切なもの
プロレスには興味がない私ですが、
それでも見てしまった、昨晩のタイトルマッチ。
元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(58)が約19年ぶりの公式戦をするとのこと。ネトフリ独占放送で、場所は8万人ほどを収容できるATTアリーナ。対戦相手は登録者数2080万人の人気ユーチューバーでプロボクサーのジェイク・ポール(27)。
SNSの話題沸騰ぶりに影響されて、これは絶対に観なくては!
と感じてしまった理由は、マイク・タイソンが私と同年代だから。
58歳の彼が、自分より背が高くて30歳も年下の強靭な相手と闘うことが信じられなかったから。
その無敵なメンタルと肉体とエネルギーを感じてみたかったから。
とはいえ、8時くらいから始まったボクシング。色々な人たちの試合を終えて、さて、いよいよマイクとジェイク・ポールの試合が始まるよー!
という夜の11時15分くらいになったら、
ネトフリがまさかのストリーミングエラー!
観れませんでした。
5分くらい待ったけど、ずっとエラーだったので寝ました。
で、翌朝に気になってSNSを見てみたら、関連投稿に1万件くらいのコメントがずらずらっとついていて、ざっと読み続けた限り、面白すぎるほどみんなの意見が一致しすぎてて笑ってしまいました。
政治でもスポーツでもいつでも見事に意見が分かれるアメリカで、こんな一致ぶりは超珍しい!
その内容は、
✅ネトフリのストリーミング失敗は痛すぎる
✅マイクとジェイクの試合は見る価値がないものだった
✅マイクは負けることに同意して金を貰ってるのだろう
✅30歳年上の男に勝って何がすごい?老人虐待だ!(冗談で)
✅あんなの八百長だ!フェイクだ!
✅2人とも本気出してないよね
といった言葉のオンパレード。
他の褒め言葉とか一切見ないのです。
私は見てないので分かりませんが、色々な意味でひどい試合だったようです。
ということで、ライブで観なくてよかったし、今後見ることもないと思うけど、今日になって色々と切り抜きが出ていて、マイク・タイソンの試合後の、短いインタビューの動画を見たときに私の心が揺れてしまいました。
家族のことに聞かれたとき、子供たちがすべて。と言い切った彼。
子どもたちにとって自分は「誰でもない存在」だと感じているものの、この試合を通じて「特別な存在」であることを彼らに示したい。
そんなふうに言う彼の、父親としての愛に、勝るものはないのです。
会場に拍手から沸き起こりました。
マイクって、こんな人だった?
かつて試合中に相手の耳を噛み切ったという怖いイメージしかなかったからちょっとビックリ。
タイソンの子どもたちは13歳から34歳の間で、彼の全盛期のボクシングを実際に目にすることができなかった世代。だからこの試合は、子供たちが父親の実力とその活躍を実際に見ることができる唯一機会だったのですね。
ちなみに息子の一人であるアミールは、試合の前にコメンテーターとして、父親であるマイクに短いインタビューをしていました。そのあとで別れ際にぎゅっとハグして互いに「ラブユー」と言って去るところが、個人的には最高でした。いいお父さんなんだなぁ。。と感じました。
っていうか、これから試合する強靭ボクサーではなく、ねまき姿でキッチンに降りてきて、出社前の息子と軽く会話する父親の顔でしかなかった。
アメリカでは、普段からしょっちゅう会ってる親子でも、夫婦でも、電話を切るときとか、別れ際に「ラブユー!」と言うのは割と普通なんですが、挨拶代わりに愛を伝えるという文化は、私が大好きな部分なんです。
ポールには敗北したとはいえ、マイク・タイソンの中では試合の勝ち負けではなく、家族への想いがもっとも重要だったのですね。
大切な人への深い愛を堂々と伝えることができる人って、やはり最強だし、
その絆を築き上げてきた人は、真の敗北者にはなりえません。
たとえ家族という存在ではなくても、たとえ相手が人間でなくても、同じことではないでしょうか。
戦った相手のジェイクと、その兄のローガンは、かつてはYoutuberとして日本で迷惑行為をした事件から私の中ではイメージが悪かったのですが、それも昔の話であり、今も前進し続けてるのはすごいですね。
*追記
マイク・タイソンが、いかに手加減して試合をしていたか、ジェイクがいかにビビりながらやっていたかを証明するあの試合の切り抜きが、最近いっぱい出回っています。
分かる人には分かるのですね。
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