フロリダのシガー・カフェはノスタルジックなキューバの世界■100年前と変わらぬ葉巻職人さんの世界に触れる
禁煙先進国と言われているアメリカですが、ここフロリダ州も、ビーチやバーを含めて禁煙エリアが大多数を占めています。
そんな中で、シガー(葉巻)はちょっと特別な存在。
シガーラウンジと呼ばれる場所が、あちこちにあります。
そもそも、私自身はタバコを吸わず、煙も苦手なんですが、葉巻に対する感情が、温かいものと、リスペクトに変わったきっかけがあるんです。
それは、キューバにある国営の葉巻工場に訪れたこと。
現在はふたたび国交が閉ざされてしまいましたが、以前は一時的にアメリカから直接、キューバに訪れることができたのです。私がクルーズ船でフロリダから首都ハバナに入港したのが、ちょうど5年前。
社会主義国であるハバナは、アメリカからの観光客で賑わっていたものの、きらびやかさとは全く無縁で、ヘミングウェイが愛したバーやホテルが、当時のままの姿で残っていました。
カラフルなアメ車のクラッシックカーがあちこちを走ってて、観光客を連れまわしてくれるのです。私たちもピカピカに磨かれた真紅のフォードのクラシック・オープンカーに乗り込み、最初に連れて行ってもらったところがここでした。
首都ハバナにある、国営のパルタガスの葉巻工場です。
ひとたび足を踏み入れると、葉巻の匂いが強烈で一瞬ひるんだけど、キューバのすべてを知りたい!と強烈に感じるほどの魅力にあふれていました。
アメリカのトラベルサイトには、このように説明されています。
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フィデル・カストロやチェ・ゲバラも愛用していたキューバの葉巻。
100年前から変わっていない、葉巻づくりのプロセスとは、古びた作業台で乾いた葉を切ったり巻いたりする作業。
スペイン人である当時の経営者は、キューバでの生産に見切りをつけて工場をフロリダのタンパに移したという歴史があり、それも100年ほど前のこと。
当時は、この界隈に200軒以上もの工場を造り、年間にして6億本の葉巻を製造。世界一を誇っていたというのだから驚きです!
当然ながらキューバからの移民も多く、そのときの様子はこの映画で垣間見ることもできます。
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しかしながら、1929年の大恐慌とタバコ産業の衰退によりどんどん勢威を失っていき、キューバとの断交もあり、工場も廃止。周囲もすっかり廃れてしまいました。
この界隈には、今でも古いキューバの葉巻カフェがいくつかあります。
100年前に大活躍していたであろう作業台が窓際に置いてあって、くわえタバコで葉巻を巻いている職人さんの姿を見かける日もあります。
私自身、サルサダンスで賑わっているときには踊りに行ったり、近くを通ったときにはキューバ風のエスプレッソを飲みに行ったりと、ときどき足を踏み入れてしまうのは、ハバナの思い出が蘇って、ノスタルジックさに包まれるから。絶対に潰れないで欲しいなぁ。。
とはいえ、一般的に人気なのは、もっと近代的なシガーラウンジの方です。まるでワインセラーのようにぎっしりと並べられた葉巻はきらびやかで、一見の価値がありますよ。
先日、息子が21歳になり、アメリカでは「お酒&たばこの解禁日」として祝うことも多く、私たちもディナーの後にレストランの横にあるシガーラウンジに立ち寄りました。
カメラに収まりきらないほどの種類の葉巻がずらりと並べられていて、とてもゴージャスな雰囲気です。
こんなお洒落なラベルの葉巻を選んでみました。
ニカラグア産。味は全然分からず、むせたけど、雰囲気で!
非喫煙者には匂いがちょっときついけど、外席もたくさんあり、なんといっても色々な葉巻を一度に眺めることができて楽しかったです。
最近行って良かった場所のひとつとなりました。
葉巻に興味がない人でも、フロリダでキューバの息吹を感じてみたい人は、古い良き時代をひきずるキューバの葉巻カフェの方に、ぜひ足を運んでみてくださいね!