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プッチーニのオペラの曲とシンクロしたときのこと♡


昨日の記事ではアンジェリーナ・ジョリー主演の、オペラ歌手マリア・カラスの伝記映画『Maria(原題)』について書きました。

アンジェリーナはマリアを演じ切るために、7カ月に及ぶ声楽のレッスンを受けたそう。イタリア語のオペラ歌詞を覚え、パフォーマンスや口の動きを研究し、普段の立ち振る舞いからアクセントまでもマスター。

自分の歌声が、かつての恋人から酷評を受けていたから、人前で歌うことはなかった彼女ですが、

「自分の声や息を見つけるためには、守りの姿勢をすべて捨て、自分の心を開き直すことが必要だった」

俳優業とは、とてつもない精神力とストイックな訓練の積み重ねを求められるものだと感じます。

まずは、プッチーニのアリア「私のお父さん」を、マリアの録音をお手本に少しづつマスターしていったそうですが、

この、プッチーニのアリア「私のお父さん」。

オペラが好きでない人も一度は耳にしたことがあるかもしれません。そしてこの曲は、おそらく私が初めて購入したオペラのレコードだったと思います。

実際には、映画『眺めのいい部屋』のサウンドトラックでした。

今ではかなり癖の強い個性派の年配女優として知られるヘレナ・ボナム・カーターも、確かデビューから2作目のこの映画ではとても初々しくてかわいかったのです!!!

私は彼女とほぼ同い年。そして、映画が公開された当時はイギリスで暮らしていたので、この映画には特別な思い入れがあります。

今となってはその内容などすべて忘れてしまいましたが、当時の私のツボにはまり、テーマ曲のようになっていたキリ・テ・カナワのプッチーニのアリア「私のお父さん」は見る人の心を捕らえて映画は大ヒットとなりました。

この曲はオペラ歌劇『Il trittico』(イル・トリッティコ)の中の一曲ですが、私はいまだにこの舞台を実際に観たことがありません。

昨年5月、夫と一緒にアムステルダムを訪れた際、市内のオペラハウスでちょうど『Il trittico』が上演されているのを知りました。驚いたことに、数枚だけチケットが残っていたのです!

「プッチーニの『私のお父さん』を生で聴きたい!」
と身体が震える思いでした。

そんなに行きたいならチケットを買うよ。
どうする?と夫が何度も誘ってくれて、さんざん迷ったけれど、短いアムステル滞在の中で、4時間という長い上映時間のこのオペラをプランに入れることをためらい、結局見逃してしまいました。

そしてアムステルダムでは、朝から晩まであちこちと歩き回って、楽しい時間を過ごしていました。

ゴッホ美術館を訪れ、その隣のアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)をじっくり鑑賞した後、建物を出たときのことです。

トンネルのような路地の端で、若い女性がオペラを歌っていました。投げ銭パフォーマーのようでしたが、その歌声はプロのような力強さと美しさがありました。

思わず立ち止まって耳を傾けていると、次に彼女が歌い始めたのは、なんとプッチーニのアリア「私のお父さん」!

その瞬間、鳥肌が立ってしまいました。

4時間のオペラ鑑賞を断念したのは少し残念でしたが、その一番聞きたかった曲を、生で聴くことができたのだから。



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