アシュタンガ・ヨガ・マスターの孫
私の夫はヨガが好きで、これまでは一緒にヨガクラスに通っていたのですが、今年に入ってアシュタンガヨガに切り替えて、早朝マイソールに通っています。なので私たちは今、ヨガスタジオには別々に行ってるのです。
マイソールは、アシュタンガヨガの伝統的な練習の場。
室内での会話は禁止。水を飲むときは廊下に出る。誰かの呼吸音が聞こえるほどの静寂さの中で、誰もが無言で練習するのです。もちろん、音楽もなし。
夫はこの練習がとても気に入っていて、今年はドイツのベルリンでも、先月の東京でも、スタジオを見つけて通っていました。
身体の硬い夫を見ても、誰もヨガをしてると思わないかもしれませんが(笑)、自分の年齢と向き合う意味でも、とてもストイックな日課にしているのです。
一方私自身は、ヨガは友達に会いに行くのが目的になってるかも。
同じく体がガチガチなので、どちらかといえば自分に合った女性限定のピュアバージムで体を動かす方に今ははまってます。
ということで、以前夫に、アシュタンガヨガを世界に広めた伝説的なヨガマスターであるK. パタビ・ジョイス氏の本(英語版)をプレゼントしました。
そして夫は今朝もクラスに行っていたのですが、インストラクターの女性がとても暗い顔をしてて、こう言ったそう。
「シャラト・ジョイスが昨日、全米指導ツアー中に突然死してしまったのよ」
シャラト・ジョイス氏は、上の本で紹介されている、アシュタンガヨガを世界に広めた伝説的なヨガマスターであるK. パタビ・ジョイス氏の孫。
53歳ということでした。
2008年、祖父の健康が悪化し始めたことを受け、ジョイス氏はクリシュナ・パタビ・ジョイス・アシュタンガ研究所(KPJAYI)を引き継ぎました。
彼の指導とジョイス家の遺産のもと、アシュタンガヨガは世界中で繁栄し、数百万人規模の産業となり、マドンナ、スティング、グウィネス・パルトローなどの著名な生徒も引きつけました。
ヨガ好きな人でアシュタンガの名前を知らない人はいないですよね。
2019年、母のサラスワティ・ランガスワミ氏が研究所の名称をK. パタビ・ジョイス・アシュタンガ・ヨガ・シャラに改名しました。その後、シャラト氏は新しいセンター「シャラト・ヨガ・センター」を開設しました。
彼の研究所には毎月5000件を超える応募が寄せられ、1セッションあたり約350〜400人の学生が収容されていたと言われています。彼は、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北米、南米など世界各地にアシュタンガヨガを広めるインストラクターを育成しました。
シャラト・ジョイスがこの若さで亡くなったと聞いて衝撃を受けました。彼の祖父であるパタビ・ジョイスはヨガを世界中に広め、シャラトはその遺産を引き継ぎ、さらにヨガを高みへと導きました。彼の家族がこの困難な時期に強さを見つけることができるよう祈っています」と述べ、悲しみを表しました。
たった2日前には、インスタにこんなメッセージを書いていた彼。
"地に足をつけて、今この瞬間に集中し、フローに身を任せる🌿 今日はUVA(バージニア大学)コンテンプレイティブ・サイエンス・センターでのクラスで、マインドフルネスと各ポーズの中での強さを体感しました。アシュタンガ・ヨガの美しさを探求するために集まってくれた皆さんに感謝しています!呼吸を続け、成長し続けましょう。"
この直後の、心臓発作。
夫のインストラクターもインドで彼の指導を受けたことがあったし、尊敬する師の突然の訃報に大きくショックを受けていたのは当然ですよね。
シャラト・ジョイスのご冥福をお祈りいたします。彼がアシュタンガ・ヨガの伝統を広め、数多くの人々にその教えを伝え続けた功績は、多くの人の心に深く刻まれています。彼の魂が安らかでありますように。
マイソールで、マインドフルネス♡
「マイソール」(Mysore)は、インド南部のカルナータカ州にある都市で、特にアシュタンガ・ヨガの発祥の地として知られています。
ここでは、ヨガを通しての自己修練や瞑想を深める文化が根付いており、アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガのスタイルを学ぶために世界中から多くのヨガ愛好者が訪れます。
「マイソール・スタイル」とは、インドの偉大なヨガ指導者であるK・パタビ・ジョイス(1915年–2009年)によって確立されたアシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガの練習方法のひとつです。
特徴としては、通常のヨガクラスとは異なり、インストラクターの指示に従って進行するのではなく、各自が自分のペースで練習を進めるスタイルです。呼吸と動作を連動させたヴィンヤサと呼ばれる流れが特徴で、体と呼吸の一体感、集中力の向上、内なる気づきを深めることを目指します。
頭をスッキリさせてみたい。モヤモヤから解放されたい。
受け取りモードになりたい。という人にも、とてもおすすめな日課なのです。