不安の輪郭
恋愛をするようになって自分を見つめ直すことが増えたのだが、その過程で「不安はその輪郭が分かれば割と簡単に解決することも多い」ということを学んだ。これは俺にとってかなり大きなことで、不安に刺されたまま眠る夜が減って幾分か息がしやすくなった。
もちろん輪郭の無い不安もたくさんあるけれど、そういうのは「寂しい」などの感情が原因だったり、そもそも自分じゃどうにもできないことだったりする。
「自分じゃどうにもできない」ということが分かれば、過度に落ち込まなくなる。それに次の手順が分かったというだけで、何か成し遂げたような気分に浸れる。霧の中から出て、ゴール地点を見つめることが出来る。そうなってようやくスタート地点なのだけれど、自分の力でマイナスからゼロに戻れた事実と自信は、確実にゴール地点へ歩き続ける活力になる。
「命あらばまた他日」。
ゴールへ向かう己への自愛と自尊を忘れず、黙々と、淡々と、時には針に刺されながら、ゆっくり生きて行きたい。ただ、死ななければよいのだ。