とあるSNSで流行っている「あの祠壊したんか!」ネットミームについて
*この記事はフィクションです
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ん?
こんばんは、如月伊澄です。
ああ、文字化けせずちゃんと書けていますね。
本日はとあるSNSで爆発的に投稿が増加している「祠破壊」というネットミームについて記事を書いていきたいと思います。
まず、「祠破壊」ミームについて。
発端となるツイート……ポストがどれになるのか、もはやこれだけ増加した祠破壊ポストから見いだすのは難しいため、引用はしませんが、確か初めは
「あの祠を壊したんか!」と村のおじいさんに血相を変えて言われるより、30代くらいのくたびれたおじさんに「あーあの祠壊しちゃったの。君、もうダメだね」と言われる方が怖い
といった感じのポストだったと思います。
これを仮に「30代おじさん祠壊しちゃったの」ポストと呼びましょう。
あくまで「祠を壊して何かがある」ことを、様式美のお寺のお坊さんや村長といったおじいさんより、何しているかわからないおじさん(30代がおじさんであるかは一旦置いておいて)に言われるほうが怖い、という、祠破壊より、焦点がおじさんに当たったものでした。
このおじさんは、今やファンアート(?)、ショート漫画化もされていますね。
ここを震源地として、いつの間にか「祠を破壊する」ことで、そこにまつられた「何か」―――神や旧き神、あるいは怪異、に祟られる、または取り憑かれる、ことにスポットが当たり始めました。
今では祠を段ボールで自作して破壊する罰当たりなこと(なにも祀っていないから大丈夫なのか……?)を始める人も出てきたり。
そもそも、「30代おじさん祠壊しちゃったの」ポストにおいては「あの祠を壊したんか!」「もうどうにもならないよ」と、それを壊したことによって何が起こるのかぼやかされていました。
しかし現在広がっているネットミームの中では「祟りがある」「祀られた怪異がいる」ことがまことしやかに語られています。
つまり、「30代おじさん祠壊しちゃったの」ポストが何者か―――仮にXとしましょう、Xの手によって「祠を破壊することで、そこにまつられていた怪異に祟られ、呪い殺される」もの、に変化させられているのです。
さて、それではXはなぜ「怪異と祟り」の要素をポストに追加したのでしょうか?そもそも、どこから「祠の中には怪異がいて、祟りがある」という話がでてきたのでしょうか?
そもそも祠というものは「神を祀る小規模な殿舎」あるいは「先祖の霊を祀る場所」だそうです。そう、祠に祀られているのは「神様」あるいは「先祖の霊」。怪異の要素は見当たりません。
ところで「祠を壊して怪異に祟られる話」と聞いて、すぐに思い出せる怪談はありますか?
……そうです、ありふれているようで、ほとんど見当たらないのです。
入っては行けない場所に入り込んで呪われる。
手にしてはいけないものを手にして祟られる。
やってはいけない行為を行って、怪異に出会う。
現代怪談を見返してみると、上記の要素は多く見当たるものの、祠を壊して怪異に祟られる話、は見当たりません。
では、Xはなぜ「祠には怪異が祀られている」「それを壊すことで封印が解かれる」要素をミームに取り入れたのでしょうか?
ここで想起されるのが、昭和の時代に大流行した「口裂け女」「人面犬」の存在。噂が噂を呼び、いつしか彼女らは現実に存在する、と大変な騒ぎになったそうです。
そう、噂は現実になるのです。
とすれば、Xの目的は。
近い将来、新たな怪異がこの世に生まれる日は近いのかもしれません。
たった一人の頭の中の怪物が、噂からインターネットに住処を変えて、この世界に現れようとしているのです。
こうして新たな現代怪談は生まれていくのでしょう。
【あとがき】
冗談ですからね!最初に書いたようにネットミームが流行っていること以外フィクションですからね!
にしても、祠破壊ネットミーム、流行りすぎでは……?
実際、祠という存在に対してあまり詳しくない人でも「壊してはいけないもの」「神様がいらっしゃるもの」という認識を持っている時点で、我々は程度の差はあれ、見えないものの存在を信じているのだと思うんですよね。
故に「悪いことしたら罰が当たる」「お天道様が空から見ている」とある種の抑止力になっていると思うのですが、時代が進んで「みえないもの」が信じられていない時代になったら。
少なからず「想像力」があるからこそ、人間社会が成り立っているのだと考えさせられますね。
ところで「お前○○してしまったんか!」のミームが通じるのって、20代後半から30代くらいの現代怪談にどっぷり浸かった人達だと思うのですけど、このネタがこれだけX(旧ツイッター)で流行っているのって、もしかしてXにいる人間の世代って。
怖いですね、SNSというものは。
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