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【幻】移転前の店舗で見た壁掛けラジオが忘れられない 東京・神保町「伊峡」(2018年)

 最近戸惑うのは、移転や建て替えなんです。
 店構えで入る店を選ぶのが難しくなっていて。

 傾いてさえ見える木造2階建て。黒ずんだモルタルの壁。日に焼けた暖簾
 そんな古さを感じさせる店構えに吸い込まれるのが町中華選びのポイントだったのに。
 昨今の地価高騰や建物の老朽化に伴い、移転(つまり新築)されたり建て替えられたりすると、この吸い込まれる勘を活かせなくなり。

 東京・神保町の名店「伊峡」も移転してピッカピカに生まれ変わったので、おそらく現在の店の前を何も知らずに通りかかったら入らないでしょう。

 しかし、6年前の2018年にはこんな店構えだったんです。

すんません。味は覚えていません。
 なんとなくですが、「普通」と思ったような記憶があるものの、不確かなので断言はできません。タンメンを注文したのでしょうか。

ただ、壁にかかったらラジオに心惹かれたのを明確に覚えています。
 客を待ち、麺を茹で、スープを注いだ丼にちゃんぽんと入れる。
 そんな単純作業の繰り返しを退屈させないための知恵が壁掛けラジオだったんだろうなと。ひどく心打たれたもので。

 今もあるのでしょうか、壁掛けラジオ。

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