「人間狩り」の理由が欲しかった詐欺師の薄笑いが見える、「地面師たち」
ネタバレありです、要注意。
途中で気付いたのですが、裏テーマは「人間狩り」だったのかと。いやメインかも。
ネットフリックスのオリジナルドラマ「地面師たち」は、所有者になりすまして土地を売る詐欺師「地面師」を描いてるんですが。
詐欺を描いている割に人が死にすぎる。血が流れ、死体が映りすぎる。
と、まあそこも話題になっていまして。
でも、そりゃあ血や死体を映すだろうと。
だって、人間狩りを描いているんだもの。
豊川悦司演じる地面師のリーダーは、現場の仕事を手下に任せるくせに、一番危ない橋である殺人は直接、手を下すわけです。
詐欺で得た巨額のお金よりも、むしろ巨額の不動産と金とに振り回される人間たちの姿を見たいんじゃないかと。
もしかしたら、目的は殺人で、理由もなく殺すのでは退屈なので、殺す理由を求めてるのかな、と。
なりすまし役の素人や事実を嗅ぎつけた刑事、引退した手下が事実を明らかにしたら困るので殺す。
この理由が欲しくて、それも強い理由を求めて、どんどん巨額の詐欺を働いているのではないかと。
終盤で、豊悦演じるリーダーに指を切り落とされた男が直接的に喋っちゃうので、多分間違いないかとは思うんですが。
トラックに潰された老人やビルから突き落とされた刑事、頭を踏みにじられる手下(北村一輝最高!)の姿を、不要な残酷描写ではないかという指摘がありますが。
いや、あれほどリアルな映像が必要だったんじゃないかと。
だって殺しがテーマだから。
刑事役のリリー・フランキーをはじめ、なりすまし役の老人や能天気な半グレなど脇役があまりに上手でびっくりですが。
個人的には歌舞伎町のホストがホストにしか見えなかった。
本当のホストを知らないのに、ホストっぽいんじゃなくてホストに見えました。
あと無駄にかっこいい池田エライザに惚れた。