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楽器練習日記14:チャップマンスティックのベース部が手ごわい!2
チャップマンスティックの練習を始めてから1年が経ちましたが、ベース部は依然として手ごわいままです。その手ごわさの理由の1つは、ひとえに弦間隔が5度であることによるものです。
メロディ部はギターやベースと同じく6弦から1弦に向けて4度ずつ音が高くなっていきますが、ベース部は7弦から12弦に向けて5度ずつ音が高くなっていきます。このような5度間隔ですと、4度間隔とは音の配置は同じですが、音の高さが異なることになります。
メロディ部は6弦3フレットがE(ギター6弦の開放弦と同じ)なのですが、そこから1弦5フレットまでは次のようになっています。
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ベース部も12弦5フレットから7弦7フレットまで次のようになっています。
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このように音の配置は一緒ですが、これはあくまで音の配置に限ってのことです。
メロディ部のこの音配置を楽譜に記すと次のようになります。
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次にベース部の音配置を楽譜に記すと次のようになります。
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なのでベース部を扱うときは、4度間隔の(メロディ部の)音配置をそのまま当てはめただけの配置とは別に、スケールを下から弾くための音配置を覚える必要があります。
では、うまいベース部のスケール通りの音配置の覚え方はないのでしょうか。それがあるのです。
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この図のように「EF」「BC」のブロックが規則正しくずれながら並んでいるのが分かります。
また、スティックのインレイ(ポジションマーク)は2フレットから始めて5フレットごとに計5つあるのですが、そのフレットには次のように音が並んでいます。
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これに先ほどの音配置を当てはめれば、覚えやすいです。
とはいえ、これはあくまで理屈であり、実際に指を動かして試してみる必要があります。そのために買ってきたのがバッハの無伴奏チェロ組曲です。やはり指盤を覚えるには実際に弾いてみるのが一番です。
ところで先ほどインレイに規則正しく並んだBEADGCFを見てもらいましたが、じつはこれはインレイが1つずれるにしたがって1オクターブずつ音が上がっているのです。
なので私は取りかかる前は低音のフレーズは第1インレイから第2インレイのあいだで左手で弾いて、中音のフレーズは第2から第3インレイのあいだで右手で弾こうと考えていました。
しかし実際に取りかかるとそんな想定はすぐに崩れることになりました。というのも、使う音が第2インレイの前後に分布していたため、1つのフレーズを両手で分担して弾くことになったのです。
1つのフレーズのどの音を右手で弾いて左手で弾くか、またどの指で弾くかは自分で決めていくことになります。この自由度の高さがベース部の、ひいてはチャップマンスティックの手ごわさの理由の2つ目です。