丸紅ギャラリー「和フリカ ―第三の美意識を求めて―」
駅構内の「ブラッド・ブラザーズ」のどでかい写真広告に目を奪われて、東京の丸紅ギャラリーで開催されている「和フリカ ―第三の美意識を求めて―」に行ってきた。
「ブラッド・ブラザーズ」という作品は、遮光器土偶を思わせる形状で、てっきりアフリカの伝統的な意匠と土偶のニュアンスを混ぜて新規で作った造形かと思いきや、アフリカで実際に使われていたものがそのまま作品になっているということで驚いた。アフリカで実際に使われていたスツールに日本ぽさを感じ取ってしまったのは、和フリカというコンセプトを知っていたからなのか。それとも、漆の光沢が日本らしさを感じさせるのか。ただ形状や目の形など個別要素の組み合わせの類似性からか。自分が何をもって土偶を土偶と認識しているのか、日本らしさというものをどういう基準で捉えているのか。自分の中でそれらを「たらしめているもの」が何なのかを知りたいと思った。まだ明確な答えは出ていないけど言語化できるようにしていきたい。
あと漆を塗られているからか質量というか存在感的なものを感じられて立体物として力みたいなものを感じた。美術館といえばもっぱら絵画ばかり見ていたけれど立体作品にも目を向けてみようと思った。
また、笹やゴルゴスの作品は、どことなく戦隊モノのアーマーの一部のように感じられた。漆塗りからくる光沢感、少し丸みを帯びたフォルムが、子供のころに見た・いま子供を連れて見ているヒーローショーに出てくる仮面ライダーや怪人たちの腕のアーマーやマスク感を思い起こさせたのかもしれまない。漆塗りという伝統技法に対してプラ樹脂(?)の質感を感じ取るのも失礼というか無教養なことだけど、、、
今回の展覧会では写真でのみだけだったけれどもウルトラ面の作品はこの感覚にも通じるものがあるのかもしれない。
この展覧会の作品は、どれもアフリカの素材を使いながら、どこか日本的な感覚を喚起させる。それは何によるものなのか。アフリカと日本の文化的な類似性が作品の表象に現れていて、無意識に感じ取っていたのであればそれを分類し、言語化し、体系化したい。そうできたらきっと世界を見る解像度がもっと上がるんじゃないかと思う。