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虐待の記憶と今

わたしは幼少期に元父親から

物のように扱われていた

そして母はDVを受けていた

母は私を連れて家を飛び出し

実家に帰省したそうだ

わたしの記憶はここから始まっている

母や祖父母に守られ

わたしの記憶の中にはその人はいない

写真もほとんど捨てられていた

だから私の赤ちゃんの頃の写真はほぼない

わたしは昔からアルバムを見ることが好きだった

写真は大切に思っている象徴のようで

愛されていると分かって嬉しくなるからだ

母は気づいたら捨ててしまうので言わなかったが

父の写真を見つけ

何度か見ていた

写真に写る姿はどれも笑顔だったので

わたしの記憶のなかの父は

いつも笑っている父

写真から勝手に思い出を作り出して満足していた


小学生になり

近所のお兄さんにレイプされた

上に乗られ触られ声を出せ、と言われた

わたしが女だからしょうがないのか、と思った


この時には父がひどい人だったことを

少し母から聞いていた

小学生なりにいろいろ考えた結果

女の人は弱いのかもしれないと思うようになった


母のことが好きだから

守れるようにならないといけない

と思った


少しずつわたしは男の人に寄せていくようになった

友達からかっこいいと言われるくらい

ボーイッシュになった

自分が女性として扱われることに

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