10/24 福田雄一
という映画監督がいる。
まさか、50回目のファーストキスが、勇者ヨシヒコと同じ監督、似たキャストで作られていたとは。
見終わった後の満足感が半端じゃない作品だった。
ラブコメという言葉があるが、
これほどにコメにもラブにも全振りされたものがあっただろうか。
アメリカ版が好き過ぎて、日本版が見れなかったというあっこ。今日は、ふと思い立って見て見たのだという。
冒頭数分で「これは全く別物だ」と笑いに目を潤ませながら話しかけてきた。
僕は米版をしらない。
知らないが、そんなことはどうでもいい。
まるで勇者ヨシヒコを思わせるその間の使い方と、全く真剣にロマンスを味わえないだろう雰囲気に懐かしさとワクワク感を覚えていた。
果たしてここからどうするのか見ものだとワクワクしていた。
結論。
ボロボロ泣いた。
数秒前までふざけ倒しているのに、なぜこの真剣なシーンに真剣に涙できているのか。
一体どれだけのアドリブが入っていたのだ。
その笑いと真剣を織り交ぜていくテクニックとそれを可能にする山田孝之ほかキャストの演技力に感服した。
他の映画と一線を画していると感じるのは、
演技と共に、半ば本来のその人の一面が画面に映ってしまうところにあると感じた。
完全に“すぎて”いるそれを、笑ってしまっているキャストがいるのも普段の登場人物の自然さにも感じられるし、マジでその人本人とも感じる。
全部ひっくるめて映画の醍醐味になっている。
「その役になりきる」
ことが定説である映画という世界を真っ向からひっくり返しているところに面白さを感じずにはいられなかった。
絵でも服装でもインテリアでもなんでもそうだが、
異種を混ぜるというのは面白い。
和洋折衷という言葉がある。
下手すればまとまりのないものでしかないのだろうが、そこに調和が生まれると、他では味わうことのできないなんともいえないオリジナリティとおしゃれさ、奥行きが生まれる。
僕もそういうものを作りたいのだ。