私と入学
今まで数回、この話をしたことがある。
私がお世話係と呼ばれる所以ともなる物語。
いつまで経っても色褪せない記憶がそこにはあった。
ちょっとおしゃれな導入にしてみたところで田舎者には変わりない。
それもそのはず、時は2000年。当時小学生だった私のクラスメイトは何を隠そう私を含め4人だった。
痩せ型ちびっこの私。
ぽっちゃり体型のキミ君。
まんまる体型のヒー君。
ふくよかなスタイルのアンちゃん。
出会って数分で運動会のかけっこの勝ちを確信した。
個性とはよく言ったもので各々変わり者の集団だった。
いや、4人では集団と呼ぶことさえ差し支えがある気もするが、とにかく4人が運命共同体であることに間違いはなかった。
ーーーこの環境が大人となった私にもたらしたことは、適材適所という価値観だ。
違うことが当たり前のでこぼこな私たちはお互いに出来ないことが分かっていた気がする。
漫画とかでよくあるパワータイプのキャラは体が大きかったり、知的なキャラは細身だったりと無意識に性格も見た目に反映されるのかもしれない。
そう、私を除く3人はみな力が強かったことは語るに及ばないことだ。
そんな彼らには運動会のかけっこでは負けなしの私。
対照的に伝統ある相撲大会では私は6年間で一度も勝つことはなかった。
振り返ってみると釣り合いが取れていることが分かる。
得意不得意が誰しもある。
苦手なことは得意な誰かに任せてしまえばいい。
その分得意なことを頑張ればいい。
そう教えられた。
こうして始まった私の少年時代はどこに向かって行くのか、まだ誰も知らない。
続く
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